PEQ Montreal
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ひとりごと的つぶやき

食べないと元気…断食道場で何を教わったか?

最初の日のブログで、断食道場に行ったことがカナダ行きの決断に大きく影響したことをチラッと書いた。すると、断食道場ってどう?一体道場で何があったの?というような質問をいただいた。

最初にわたしのついたウソについて、はっきりさせないといけない。わたしは、実は断食道場には行っていない!本来の断食道場とは、「食を断つ」わけで、食べない日がなければやっぱりうそだろう。でも、もしあなたが「断食道場」とググってみたことがあれば、知っているかもしれない、断食の新常識があるのだ。最近、断食というと、本来の意味とは別に、ジュース断食とか、プチ断食などというものも入ってくるのだ。これは、デトックスなどともいわれているようだが、完全に食を断たずに、からだにいいジュースやサラダなど少食で体を整える方法だ。

わたしは、元々本当の断食道場で体をすっきりさせて、精神も鍛えよう、と思って色々リサーチしていたのだが、次第に、苦行して、ふらふらガリガリになって家族の元に帰るよりも、エネルギーは残しながら健康的に体調を整え、しかも断食中なるべく体力を使わないように動かないで漫画読んでいる(いや、漫画は読まないかもしれないけどね)みたいなイメージの完全断食じゃなくて、体にいい物をほんの少し食べて、日中はしっかりアクティビティがあって、暇をもてあますことがないような場所へと、方針を転換した。

そんなことができる半断食?道場が、日本にはたくさんある。その中でわたしが選んだ場所は、福井県の道場。選んだ決め手は、毎日岩盤浴がプログラムにセットされていたこと。わたしがFacebookでフォローしてい方が、低温サウナと岩盤浴のデトックス効果について書いていて、一度徹底的に岩盤浴を受けて、体の重金属を排出したいなと思っていたのだ。

実家の近くにいくらでも道場があるのに、新幹線とバスでわざわざ福井県まで出かけて、そこに何があったのか?

そこは、女性オンリーの道場で、「先生」と呼ばれる主宰者が唯一男性だ。この「先生」なる人の講義が昼間に毎日入っている。最初の数日は、周りの子達が先生、先生という度に、私の心の中は、(何を持ってあなたは「先生」なのか!?)という疑問でいっぱい。見たところ、明石家さんまみたいにしわがれた声の、ひょろ-っとしたおじさんである。しかも、からだにいいことを奨励するはずの人が、キッチンの奥でタバコ吸ってるし…海外生活で心に積もった猜疑心の垢は一朝一夕には取れない。

ところが、何日か経って、この「先生」の講義が面白くてだんだんはまってくる。行く前から、お腹がすきすぎて弱っているところに、変な宗教とかに誘われてふらふらと入ってしまったりしないか(笑)とむちゃくちゃ警戒していたのに、この「先生」は、なんというか、自然体だ。繰り返されることで、次第に本当の意味がわかってくる。講義の中身は、又聞きでは感動が薄れるので、興味がある女性は行ってみることをお勧めするし、ここまでヒントを出しているから、その気になれば場所を特定できるので、ぜひそこのサイトの記事を読んで参考にしてほしい。かいつまんでいうと「無意識」についての話が中心で、この無意識とは「深層意識」のことだと思う。最後には、この先生の講義が1日のビッグイベントのように感じられてくる。キッチンの奥でタバコ吸ってるのも、敢えて止めてないんだなってことがわかる。つまり、修行僧じゃないんだから、やりたいことを全て我慢するんじゃなく、タバコが吸いたければ、吸ってその分きちっとデトックスをすればいい、ということなんだ。無理はしない。先生の口癖の「当たり前」という言葉にえらく共感する。当たり前のことに気づいてないことが多すぎたなって思う。

この辺の私の気持ちの変化は、もちろん食生活が変わったことが大きく影響している。下界でたらふく食べながらこの話を聞いても、なかなか本質には響いてこない。でも、食を整えていると、先生の話が本当に”腑に落ちる”のだ。

先生の講義の中味を書いていないので想像するのが難しいとは思うのだが、もう一つ私にとってとても、興味深い経験があった。わたしは、モントリオールに来る前、マレーシアで通訳をしていた。その中で、同時通訳なども少し受けていたのだが、この仕事をしていると、人間の話はパターン化されていて、特にビジネスなどの話に限られた場合は、大抵、この人がこの後何をいうか、ということはわかるようになってくる。これは一種職業病で、友達と他愛のない話をしていても、悪気はないのにオチをいわれる前に変なところで相槌入れちゃったりして、すごくいやな人になる。ところが、先生の講義を聞いていて、私はいつものクセで知らず知らずに先を読んでいたのだが、最初の1週間ほど、当たったためしがなかった!先がまったく読めないのだ。私にとってはかなり居心地が悪いできごとだった。(こういう違和感を人生で経験できる時は、成長している時だと思う!)仕事上では、先が読めなかったら訳出が大幅に遅れるから、先の読めない話というのは本当につらい。先が読めないってことは、今までの私の常識の範疇外に、先生の話があったということで、人生の折り返し地点を過ぎた人間にとって、こんな経験はめったにないんじゃないかと思う。

そんなこんなで日が過ぎて、後半では、先生に対し、尊敬の念を抱くほどになった。また、この人は信じられる、という気にもなってきた。そして、私の心が先生に対して完全にオープンになった頃、私は先生のヒプノセラピー(催眠療法)を受けた…猜疑心の塊はどこかに砕けて散ってた。驚くことに、私は自分も思ったこともなかった過去の一場面で、心に傷を負っていたことを、そのセラピーで知った。それは、他人から見たら本当に他愛もないエピソードで、自分がそんなことで傷ついているなんて思ったこともなかった。でも、そのことに気づいてから、自分がなぜ仕事であれほど消耗するのか、なぜいつも肩肘張って生きているのか、色々なことに思い当たった。滞在の後半は自分の気持ちや学びをノートにまとめて整理することに休憩時間を使い、書く度に自分の心が軽くなっていくのを感じた。

道場から戻って、私が得たこと…それは、仕事でも対人関係でも、肩の力を抜いて、相手を信じて楽に話しせるようになったことだ。仕事が楽しくなったのはいうまでもないし、新しい人に会うことも苦ではなくなった。え、そんなこと?ってあなたは思うだろうか。あっそうそう、行く前は体重を激減させることに期待していたんだけど、3kgしか減らなかったな。でも、そんなちっぽけなことを、なんで期待していたんだろうと、出てきた時に思った。

そして、道場に行く前から、ぼんやりとカナダ行きたいな~と思っていて、カナダ関連の本をちょっと荷物にしのばせてた。道場に行ってから、自分の気持ちにまっすぐ正直に行って大丈夫なんだ、という変な自信がついた。また、できると思えばできるって、信じられるようにもなった。だから、道場が、私にカナダ行きの扉を開けてくれたんだと思うんだ。

ABOUT ME
ちえ子
カナダ在住。モントリオールで日本語教師とゲーム業界での仕事の二足のわらじで活動中。高校生、大学生との親子留学→PEQ(ケベック経験プログラム)で永住権取得。TOEIC 960点、実用英語検定1級、フランス語公式テストTEFAQB2合格。過去にクアラルンプール(マレーシア)で通訳、ロンドン(英国)で商社勤務経験あり。趣味はジャズヴォーカル、City Pop(1970-1980年代日本のニューミュージック)、コメディ映画鑑賞。イチ推し芸人はオードリー若林さん。

POSTED COMMENT

  1. とがわ より:

    断食道場 やっと謎がとけましたw
    興味深いお話ありがとう

    • ローちえこ より:

      とがわさん、
      謎だったよね(≧∇≦)
      これでつながったでしょ。
      でも道場の話は始めたら止まらないくらいまだあるよ。
      久しぶりに大きな転機だったと思う。

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