PEQ Montreal
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フランス語学習

合わない人の対処法 - フランス語講師編(笑)

写真は、学校で今取り掛かっているネットワークのプロジェクト。(まだまだ設定が終わっていないので、ネットワークは機能していないけど...)クラスメートたちは、これを全部設定して機能できるようにするのに「こんなもん、3日(約10時間ほど)でできるよ」と豪語する。私たちに与えられた時間は18日間なので、余裕のはずなのだが、私はまだまだものすごい時間がかかるので、余裕でらくらくのうさぎクンたちを眺めつつ、かめの歩みでここまで来た...でも、8ヶ月前にこれを見てもなんじゃこれ?としか思えなかったのが、今これを見たら、少なくともどんなことをしようとしているのかとか、読み取れるようになったんだから、かめとはいえ、色々なことが少しずつわかってきて、面白くなってきたといえる。新しい自分に生まれ変わるまで、残された時間はもう8ヶ月!まだまだいけるぞ、自分。

 

今日はかなり長文なので、事前のトイレとポップコーンのご用意を(笑)

さて、フランス語の夜間クラス、B1クラスは8月8日に始まった。その日カレッジについて真っ先に講師の確認をした。私は前のレベルのMs Dがとっても気に入っていたので、彼女であって欲しいと思っていた。彼女のクラスはタフだったが、彼女は教え方が上手いし、テンポがよくクラスの時間を無駄にしないように色々工夫してくれる人だった。しかし私のクラスの担当になったのは、先に進んでいた友人のT兄さんが「あの先生は文法の説明ができないし、わからなかったことを調べてきてフィードバックとかも一切ない。」と言っていた先生に当たってしまった...B2前の一番大事なレベルでこの展開とは...

でも、先生の好みには好き好きがあるから、そんなひどいことにはならないかも...とタカをくくっていた。そうしたら、初日から、「僕は説明には英語を多く使います。ちゃんと理解して欲しいから。」の一言からクラスが始まり、その後も彼は8割程英語を話し続けた...3時間レッスンをしてもあまり疲れない。そりゃそうだよね、ちっとも頭使ってないから(笑)ただし、時間は本当に長く感じられた。

そのクラスには頭がよくて、心のきれいさが澄み切った目に表れている、とっても素敵なHという30代前半くらいの男性が持ち上がりでいた。常にとってもいい子だなあと思っていた彼にこのクラス、どう思う?と意見を聞くと、

「まあ、楽だよね。それにクラスの半分以上の人たちはB2の資格が欲しいだけだから、彼のように楽なクラスで試験にパスできれば、嬉しい人もいるんじゃないのかな?」という。さすが仏様のように澄み切った心の持ち主だから、陰口なんかは一切言わない。常に人のいいところだけを見ているんだろう。心の中の先生に対する溢れる罵倒をぐっと抑えて(笑)、よし、わたしもいいところに集中して乗り切るか、と一旦は決めた。確かに彼のクラスは宿題もないし、今まで毎日ふらふらになって家に帰って、何もする気力もなくシャワーして寝ていたのが、彼のクラスになってからは余裕で帰宅後ウクレレを弾いたりできるようになった、ははは...

しかし...文法の説明だけなら英語でするほうが早いのはまあ理解できるのだが(それでも優れた先生は文法の説明でも簡単なフランス語でできる例を今までに見てきたが)、こんな簡単なこと、フランス語で言ったってみんなわかるだろう、ということすら、英語になっている。

例えば、ある日のクラスはこんな感じだ。

講師「このMaladroitの意味は..うーん、dumb...でもなくて、手を使うのがあまり上手くない人のことを言うんだ、知ってるかな、この言葉...何のこといってるかわかる、僕は知らないんだけど...(とこの間、Maladroit以外全部英語)...今僕なんて言った?僕の言ってる意味わかる?誰かこの単語知ってるかな?」

私「Clumsy」

講師「それ、Clumsyはいい表現だ!」(って、Maladroit以外結局全部英語)

...ってか、私は英語のレッスンを受けるなら自分より英語が上手い人から受けたいわ!!(笑)

更に、二言目には「みんな、もっとフランス語で話さないとだめだよ。」って英語で言う。ギャグなのか?

でもって、一番気になっていたこと。それはできない生徒に対するリスペクトが足りないこと。その生徒ができていないのは部分的には先生の責任でもあるのに、できない人に対して厳しい。クラスに、1人とてつもなく発音が下手な子がいて、その子が何を言っているのか、よくわかりにくいし、彼は多分英語もフランス語と大差ないほどできないので、両方勉強中で、よく二つの言語を混同してしまう。するとこの講師は、

「キミはさあ、もっと発音の勉強を家でやってこないとダメだよ。きみがクラスで一番勉強してこなけりゃいけないのに、どうしてやってこないんだ?どうして今エクササイズをしているのに、何も書いていないんだい?」とクラス全員の前で結構厳しく攻撃する。相手は言い返す言語を持たないので、何か話そうとしても、意味をなす前に打ち消されてしまう。聞いているほうがつらい...

もう1人の男の子は、前にB1を落第して、やり直しをしている。彼に対しても、「キミは2回目だから覚えてるでしょう?」とか、いわなくてもいい一言が入ってくる。

彼のクラスでフランス語のインプットが足りないので、慌てて交換レッスンのパートナーを3人確保したのだが、そのうちの1人の方が、講師歴10ン年の彼よりも文法の説明が上手い(苦笑)

さらに、毎日のようにクラスで自分に関する文章を書く練習をする。このこと自体はいいのだが、その後、総勢17人のクラスメートに1人ずつ作文を読ませて一人ずつ講師が講評をする。1人2分かかったとして、これだけで34分。しかも他の人が作文を読んでいるところは、発音もあまりよくないもの同士だし、講評も英語だから、誰も一生懸命聞いたりしない。こんなエクササイズを3時間のうちに2回入れたりするから、みんな勝手なことをし始める。私はその30分を使って勝手に隣の子とフランス語で会話の練習をしたり、別の作文を書いたりしていたけど..

毎日毎日こんな感じで、私は現状をどうにもできないことにいらいらしていた。でも、もうお金も払ってしまったし、打つ手がなく、仕方がないので、自分の苛立ちをクラスメートののびた君こと、Tに訴えていた。Tも、このクラスには問題を感じていて、自分の苦手とするリスニングがまったく伸びないから、B2に進級できないかもと焦りを感じ始めた。

そしたらある日、T兄さんとTが、担当講師の貼り紙の前で、なにやらひそひそ話をしている。

「どうしたの?」って聞くと、

T兄さん「いや、実は僕のクラス(B2)のすぐ近くで、新しいB1のクラスが始まったんだけど、休憩中に何度か見たけど、先生がいつもずっとフランス語で話してるし、上手いんだ。君らのクラスより2週間遅れでスタートしたんだけど、あっちに変えてもらったら?2週間くらい遅れたって時間を無駄に過ごすよりずっといいよ。。」

T「僕はこっちに移ろうと思うけど、一緒に行かない?」

私「それができるんなら、私も移るよ、明日にでも移りたい。T、あなたさあ、受付のお姉さんと交渉するの、中国語でやった方が上手く行きそうだから(彼女は中国人なので)あなたが交渉してくれる?」

T「OK。」

本当は1日でも早くクラスを終わらせて、今年中にB2を修了したかったのだが、それはあきらめよう...

それにしても、持つべきものは行動力を持った友人と強いネットワークだね(笑)翌日から私たちは新しいクラスに入れることになった。しかも、今までの重複したレッスンに関しては追加チャージなし。よかった...

普通なら、ここで話は終わる。

 

でも、私には、もう一つ気になることが...

今までの講師も、同じフロアの同じ時間帯でクラスをやっている。これからも顔を合わせることになるだろう。さあ、どうするか?

これまでの私だったら、さすがに無視するわけにもいかないので、軽くメールか何かで、クラス替えの理由を自分の都合のように話を作って、彼に説明したと思う。古いタイプの日本人の部分をまだ、かなり持ち合わせている私は、気に入らないから無視、なんてことはできない。なるべく敵を作らないという意思も働く。

多分昔の私の言い訳はこんな感じだ。

「先生のクラス、楽しくてよくわかったんですけど、自分はまだまだ力が足りず、落第したくないので、後から始まったクラスに入りなおして基礎から鍛えたいと思います。」

でも、カナダに来てからというもの、自分の思ったことを率直に伝えた方が上手く行く、ということを何度も経験しているため、「もし、彼に説明するとしたら、いつ、どうするんだろう?」と思い続けていた。ちなみに、Tとか、他に相談したITクラスの友人Dなどには、説明する必要はない、と言われた。こういうこと考えるのって、私が日本人だからなのか、それとも私が女だからなのかな?

数日後、機会は突然訪れた...

娘のために、土曜日に私立の学校の説明会に行った。その帰り道、普段通らない地下道を通って、普段利用しないメトロの駅に向かっていたら、誰もいない一本道の地下道で、派手な赤いハワイアンみたいなシャツを着て、ハンチング帽をかぶった人が、バイオリンを弾いていた。それがその講師だった(笑)一本道で1対1。もうどこにも逃げ場がない...何かが説明しろといってるな、と思った(笑)

彼に近づいていくと、向こうも私に気づき、バイオリンの手を止めた。

私「何してるの、ここで(笑)」

講師「バイオリンの練習だよ。ここの方が集中できるし、たまにお金くれる人もいるから」

私「じゃ、何か弾いてよ。」

やけに馴れ馴れしい口調と思われるかもしれないが、実は、私は彼にはもっとクラスをよくしてもらいたいという気持ちと、彼が日本に住んでいた経験があった、ということで、クラスが始まって間もない頃、祭りジャポンというイベントに誘って、一緒に行ったことがあった。もちろん二人きりとかではないけど。ものすごい日本びいきなところがあり、そのせいもあっていくら講師としての問題があったとしても、最低限のリスペクトは払いたいという気持ちが拭い去れなかったのだ。彼のちょっと風変わりなところも、そして人に対して少し冷たいように感じられるところも、実は彼には過去に何かがあって、あまり感情を表に出さないことに慣れてしまっているのではないか、というおせっかいな空想がいつも心のそこにあった。

彼は、日本の曲を弾いてくれた。私は、小銭は入れずに思い切り拍手をした。

講師「新しいクラスはどうだい?」

私「そのことなんだけど...わたし、説明するべきだと思うの。なぜクラスを変えたか。だってこのままじゃお互い気まずいよね」

講師「別にしなくても大丈夫だよ。それに、僕は変な態度を取った?してないでしょ。」

私「...わたしはね、自分のレベルでは、フランス語のインプットが必要だと思うの。あなたのクラスは間接教授法だから、私には、直接教授法の方が適していると思ったの。確かにあなたのクラスは英語が多いから、内容はよくわかったけど、でも、わたしはフランス語のインプットがもっとなかったら、リスニングを鍛えることもできないでしょう。」

講師「でもさ、先生がペラペラフランス語でしゃべって、もし生徒がまったく意味がわからずポカーンとしていたら?意味ないよね。」

私「わからないところがあったら、いくらでも自分で調べて勉強できるし。英語でフランス語文法を説明する本もいっぱいあるでしょう。とにかく、私たちが移っても他の人がついて来なかったところを見ると、あなたのやり方の方がいい人もいるとは思うんだけど、私はそう感じたので、急に来たこのチャンスをただ掴んだってわけ。」

講師「そうか」

そして、私たちはお別れをいい、私はメトロに向かった。

ただの自己満足かもしれない。でも、少なくともウソではない、本当の理由を彼に伝えた。彼は、反省するかもしれないし、反省しないかもしれない。それは彼の自由だ。過去に日本で4年ほど英語を教えた経験もあり、言語の教え方については、私はかなりうるさい方だと自覚している。できることはやった。これですっきりして新しいクラスで勉強を続けられる。

 

新しいクラスもすごい展開なので(笑...なぜなんだろう?いつだって波乱万丈...)後半を乞うご期待!

 

ABOUT ME
ちえ子
カナダ在住。モントリオールで日本語教師とゲーム業界での仕事の二足のわらじで活動中。高校生、大学生との親子留学→PEQ(ケベック経験プログラム)で永住権取得。TOEIC 960点、実用英語検定1級、フランス語公式テストTEFAQB2合格。過去にクアラルンプール(マレーシア)で通訳、ロンドン(英国)で商社勤務経験あり。趣味はジャズヴォーカル、City Pop(1970-1980年代日本のニューミュージック)、コメディ映画鑑賞。イチ推し芸人はオードリー若林さん。
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