写真は、ごく最近登場した、おなじみの教会の風景。この大好きな場所ともあと2週間でお別れとなった…それにしても、青空って本当に人の心を穏やかにしてくれるよね。
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Javaの戦いで一旦終結したかに見えたJ講師とのバトルだったが、次のモジュールはLinux2。
LinuxはWindowsやMacOSのようなOS(オペレーションシステム)の一種だが、オープンソースで誰でも無料で使える。安定性が高いので、サーバーやビジネスで多用されていて、Geek向きのOSと言える。
以前にLinux1を他の先生から教わったが、その先生は自分はめちゃめちゃGeekなのに、生徒に技術を上手く伝える術を持たず、教えるのが苦手な人だった。ただ、テストがものすごく簡単で、宿題もほとんどないので、クラス中自分の好きなことをしていても単位を簡単にとることができるため、生徒の人気が高かった。私に言わせれば、何も教えないで人気者なんてふざけるな、と思うけどね。
その先生のクラスで甘やかされた後の、Linux2の担当が、Javaで苦しまされたJ講師。優秀な人だし、知識豊富なのだが、ビギナーに教えるということができない人だ。わからなかったら調べろとばかり、参考資料をPDFで山ほどグーグルドライブでシェアしてくれた。毎回、プラクティカル演習の課題がある中で、クイズしたり、大事なトピックのエクササイズがあったり、息をつく暇もないほど課題がある。しかも、説明が早くて、半分も理解できない。わからないことが多すぎて、資料がたくさんすぎて、情報の波に初心者が溺れ、クラスのそこここでアップアップしている。クラスのレベルと、やっていることのレベルが完全に不一致だ。
わからないままクラスが過ぎていき、一週間の春休みもすべてLinuxの理解に使った後、モジュールの最終試験になった。J講師の試験は資料もインターネットも使用禁止。実社会なら、ITの世界では一人の人間が持てる知識ですべてを解決することは不可能だから、常に必要な情報がどこに行けば手に入れられるかを最速で見つけられる力が一番重要なスキルになる。でも、この学校では旧態依然とした暗記に頼った試験。私は、自分個人としては機会があればこのモジュールがどれだけ現実離れしていて生徒のレベルに合っていないかということをJ講師に伝えてきたが、彼女の提案は、参考図書を自分で勉強して追いつけ、というものだった。万事休すだ。
テストは春休み明けの月曜日の午後に行われ、テスト終了翌日のランチの時、クラスメートたちはテストがいかに厳しく理不尽なものだったか、ということで盛り上がった。
リビアS「現実だったら、問題解決のためにネット検索したりするのは当たり前のことなのに、テストではなんでも丸暗記して、インターネットや参考資料も使えないなんて厳しすぎるよ。」
カンボジアS「そうだよ、それに毎日毎日課題が多すぎるし、わからないところもちゃんと教えてくれないし。ほんとやりすぎだよ。他の先生みたいにもっと生徒のことを考えるべきだよな。」
リビアS「でも、問題はさ、こういうことを言いたくても、誰が講師に最初に言い出すかってことなんだよね。みんななかなか言わないじゃないか。」
(私は言ってきたけどね…)と心の中で思いながらも、やはり講師に嫌われて試験に合格できなくなっては困るという思いも理解できるので、そのことは言わない。
Dは今まで、クラスの中で一番わかっている生徒として、問われるままに皆の質問に丁寧に答えてくれていた。けれど、初めて私たちに厳しいことを言い始めた。
D「みんなさあ、クラスが難しいだの、わからないだのっていうけど、各演習の始まりに、この演習の目的って書いてあるじゃないか。そこ読めば、自分が一体何の実習をしているのか理解できるわけだし、自分でやってみてわからなければ、J講師に質問したら、彼女は答えてくれるよ。僕はずっとそのやり方でやって理解してきたよ。ちゃんと本読めよ。」
…D、君はあのJ講師の味方なんだね。
私「Dさあ、あなたは基礎があるから、理解も早いし、質問もほんの少ししか出てこないでしょうけど、自分がもし初心者だったら、本当にあの実習の文章だけ読んで内容が理解できたと想像できる?」
D「できるさ。君たち難しい、難しいって言ってるけど、このモジュールで習ってることって本当の基礎だよ。それに、テストが終わってからあれこれ文句言ったって、もう遅すぎるだろう?言いたいことがあるならもっと早く言えばよかったじゃないか」
私「私は言ってきたよ、ずーっと。」
D「うん、そうだね。でも、言ってきたのは君だけだろ。他の人たちは何も言わなかったじゃないか。」
私もDも、お互いにレベルも立場も違うので、この話は平行線になると思い、その先は続けなかった。Dの言うことも分かる。現に彼は前にも同じアドバイスを私にしていて、しかもその時、ズバリ、
D「結局君はJ講師が嫌いなんだろ。」
と言われたことがある。
私「ハア…いつもはっきり言うよねえ。でも、うーん、なんて言ったらわかってもらえるのかなあ?嫌いっていうより、彼女の説明は何回聞いても私の脳に響かないだけなんだよ、説明が難しいけど。決して個人的な好き嫌いじゃないつもりなんだけど…」
でも、彼の言うことももっともだと思い、私は皆から遅れながらも自力で何とか演習をこなし、わからないところはJ講師に直接聞く、というやり方で授業を続けていた。でもどうしても課題の分量が多すぎて、すべてを終わらせることは無理だった。
その日は、教育委員会から講師達の指導者が来て、講師に教授法のアドバイスなどをする日だった。私たち生徒も、その評価の一環としてモジュールに関する評価アンケートに答えることになっていた。多くの生徒が、今回は絶対文句を書いてやるぞ、という思いでいた。
すると、評価アンケートを書く前に、このモジュールの感想をグループ討論する、という時間が用意されており、J講師が、皆に意見を求めてきた。
こういう時、意見を言うのがたいてい私の役回りなんだけど、はっと気づくといつもは発言をほとんどしないT兄さんが、
T兄「このテストは本当に難しすぎます。それに暗記しなければならない項目が多すぎると思います。」
と口火を切った。彼は普段、こういう時に話さないが、今回はテスト結果に危機感を感じていたんだろう。しかもいつもと違い教育委員会に直接聞いてもらえるから、チャンスととらえたに違いない。
普段文句も言わないT兄さんがしゃべったのに促され、リビアS君もカンボジアS君も、もっとテストを簡単にしてくれだの、せめてヒントをくれだの、色々言い始めた。
なんか、もう私が発言する必要はなさそうだな、もう先生十分にいじめられてるし…と心の優しい私(嘘… 笑)は戦闘態勢から外れた。
すると、東芝クンが、
東芝「今回、春休み明けだったので、休み中に重要なことを全部忘れてしまいました。やはり休みの前にテストをするべきだったと思います。」
そうそう、東芝クンはそのことを春休み前にも提案したんだっけ。でもその時、私が前倒しは無理だと言って、提案を遮ったんだった。
J講師「そうね、私も春休みのすぐ後にテストというのは、よくなかったと思います。でも、一人テストを早めては困る人がいたのよね。」(=私のせいだってわけね。ムカムカッ。)
でもさあ、それ、私が作ったスケジュールじゃないんだよ。スケジュールはもう決まってたんだからね。
何も言わないつもりだったけど、矛先が自分に向いてきたようなので、仕方なく戦闘態勢に戻る。(笑)
私「確かに、春休み明けは大変だったと思います。春休み前にできないといったのは、確かに私です。でも、授業でカバーしたことが多すぎて、テストのための復習をする時間がどうしても必要だったんです!」
すると、J講師は、テストに出る重要な項目と題する文書をスマートボードに表示し、
J講師「私はこのような文書をグーグルドライブに準備して、みんなが復習しやすいようにしてあったのに、あなたには見てもらえなかったようね。」
私「それそれ。その文書に基づいて、復習をしたんです。でも、この文書と一緒に、それ以外の文書、合計で4種類、春休み一日前に配布しましたよね?それ全部の項目と、今までクラスでやったことをすべて、春休みを毎日使っても全部理解することは無理でした。私は全部読もうと努力しました。」
ここまで言ったら、さすがにJ講師は自分の方が分が悪いと思ったらしく、攻撃を終了した(笑)
するとDが、何か言おうとした。まさかD、先生の肩持つ発言する気か…?
D「Linux1とLinux2、担当の講師が違ったんですけど、それで内容もかみ合わなかったこともあったと思います。講師同士のコミュニケーションや、モジュール毎の目的なども、もっと明確になっている方がいいんじゃないでしょうか?」
J講師「そう。みんなはとてもLinux1を終えたレベルとは言い難かった状況もあって、私はほぼ2つのモジュール分を一つのモジュールの時間でカバーしなければならなかったんです。本当に大変だったわ。」
教育委員会の人「確かにそうですね。講師同士が学校で会わないケースもあり、コミュニケーションをとるのが難しいこともあるから…」
D、私たちには手厳しいことも言ったのに、結局上手く両方の顔を立てたね。(笑)
必死に準備したにもかかわらず、私のテスト結果は65%だった。でも、初回で合格点(80%)を取れないことは織り込み済みだった。私は再試験で受かる予定でいたから、65%という結果を見て、「ああ、あと15%取ればいいなら、何とかなりそうだな」と思った。もう問題の内容が分かったわけだし、再テストの内容は初回とそう大差はない。あと15%ならいける。