写真は、モントリオール・ノートルダム聖堂。写真で見ると、青いバックグラウンドに光が差していてまあ、何とも豪華で厳かな感じがするのだが、なぜか肉眼で見た時にはなんとなく希薄な感が否めなかった。(そんなこと言ってはいけないのかもしれないけど)ヨーロッパ、特にフランス、イタリアなどの教会を見た後だからなのかもしれない。なんか深みが違うという気がした。もしかしたら、ちょっとモダンな感じなのかもしれない。
この後ろにあるチャペルの壁の大きなレリーフの方が、迫力と生命力があって面白いな、と思った。
前回の記事には結構反応があり、書いた本人がびっくりした。(笑)わくわくして読んでくださった方、ありがとうございます。
3週間のうちにあんなに熱いドラマを繰り広げた後なので、記事読んだ方は(きっとPEQMONTREALはM先生のクラスで楽しくメキメキとフランス語上達の道を進んでいるんだろう)と思っているだろうが、ところがどっこい、な展開になった。皆さん、心の準備はいいだろうか(笑)
また、一部の方に不快な思いをさせるかもしれないのを承知で、自分の心の変化をそのまま書いているので、お気に触ったら申し訳ない。
実は、テストの後、先生が急にレッスンを一回キャンセルした。その後2日間、病気のためとかでさらにお休み、その週はとうとう月曜日以外お休みになってしまった。私は、先生のことが大好きにも関わらず、病欠じゃないんじゃないかと思った。なんとなくいつも感じていたのだが、彼女が本当に目指しているものは語学学校の先生じゃない気がしていたのだ。とっても素晴らしいレッスンができるのに。あああ。
案の定、翌週学校に行ったら、掲示板のところに、まるで違う担当講師の名前が張り出してある。(ああああああ…やっぱり。)
新しい先生もイニシャルが同じMなので、M2先生ということにする。
彼女はおそらくまだ20代半ば、サマードレスが似合う赤毛の素朴でやさしい感じの女の子といった感じだ。
ちょっと内気な感じだが、クラスの時は明るく大きな声で頑張っている。好感度はかなり高い。
が、しかし…
のっけから、彼女の話すフランス語に対し、ものすごい違和感を感じた。なんというか、私の知っている、または教材のCDで聞いているフランス語とは全く別物の言語を話しているようだ。
そう、彼女は生粋のQuebecoise(ケベコワ)。先にフランスのフランス発音から入ってしまったら、彼女の発音は、訛っているとしか聞こえない。
私、まだ初心者で、フレンチフレンチもろくに話せないんだけど…この段階でこんなに違う発音の人連れてくるのは、なぜなのだ?
ちなみに今まで、フランス人3人、イラン人1人、モーリシャス人2人からフランス語を習ったことがあるが、今までで一番わからない。
まず、母音がことごとく違う。アメリカ英語みたいな、名古屋弁のおみゃーっていう時みたいな音が頻発する。en はオンって習ったのに、彼女はアンだといい、直される。月の名前もオクトォーブル(octobre)がトォオォブルみたいな変な抑揚がついて練習させられ、夢なら覚めてくれーと本気で思った。
が、3時間も否定的な気持ちでいるわけには性格上いられないので、そして英語でも通訳の時に国ごとの発音の違いを研究していたので、その日はノートに気がついた発音の違いをメモしまくって、やり過ごした。(笑)
その後、まあ、こういう衝撃的なことがあると、私は周りの人数人に話しちゃうんだけど、まずは学校の仲間で抗議文の時に活躍したDに話す。
PEQ 「今度の先生ケベコワで、わたしはさぁ、今まで文法よりもまずは音重視で、やっとフランスの発音が少しわかってきたところなのに、今までの積み重ねを全部捨てなきゃいけないんだよ。」
D 「よかったじゃないか、これで君も現実を直視できて。今はカナダにいるんだから、そしてケベックに住もうとしているんだから、ケベックの人と話が通じた方がいいでしょ。仕事する時に役に立つよ。」ってまたいつもの通り、悲しいくらいの直球。
13歳、マレーシアで自然と多言語話者に育った次女に相談すると、
次女「そんなのは、発音が英語と似ているカナダのフランス語を先にできるようになってから、後でフランスのフランス語に戻ればいいじゃん。何を困ってるの?意味がわかんない。」
まだマレーシアにいるこちらも多言語話者の長女は、
長女「たいへんだねー、でも違う言語だと思って、ケべコワ習えばいいんじゃない?」
さすがに何か国語も話せるやつらは、言語に対する敷居が低いわ…
フランス人のハウスメイト、リリちゃん18歳に話したら、
リリ「確かに、私もケベックの人の言葉がわからない時があるけど、でも中国語とかと違って、音の抑揚の違いで意味がまるで変わってしまうなんてことはないから、安心してね。」(残念ながら英語で会話中…)
この子はほんとにふんわかと優しくて、彼女にあってからはフランス人の株は急上昇中だ。
そして、最後にハウスメイトで、環境活動家、元教師のS女史に話したら、
S「ケベックのフランス語がこれだけ違うのには、歴史と切り離せないいろいろな事情があるのよ。フランスからこの地域が一時見放されてしまったこともあったしね。でもね、この地域にはこの地域の素晴らしい言語が育ったわけで、それはフランスのフランス語に勝るとも劣らない、素晴らしい言語だと私は思うの。世の中のスノッブな人たちは、フランスのフランス語の方が品がいいとかいうけれども、私は両方に価値があると思うし敬意を払うべきだと思ってるの。だから、せっかく今回ケベックのフランス語に触れる機会を得たわけだから、がんばってその発音を学んでみたらどうかしら?」
これには、頭に風穴を開けられる思いがした。
たしかに私、フランス語はかっこいいから習いたいと思っていた節が強い。世の中のスノッブたちが、英語の中にフランス語を取り入れて自分の知性をひけらかすような、そういうことに多少憧れていたもの。
PEQ「たしかに私、ケベックのフランス語に対して、格が低いという偏見があったかもしれないわ。本当よね、すべての言語は同等に尊いものだよね。発音直すのはきついけど、これから自分の偏見と戦ってみるね。」
彼女の言葉に感銘を受け、少しがんばってM2先生のレッスンに前向きに取り組むことにした。数日後、クラスで各自2分間のプレゼンテーションをしなければならず、家でそのリハーサルをしていると、S女史が、「短い間にずいぶん発音が良くなっていたのね。あなたの発音はケベックに無理に合わせなくても、そのままでいいと思うわよ。」と言ってくれた。
彼女の言葉に力を得て、発音は今のところフランスよりの日本人発音とでも言ったところに収まっているが、4日程M2先生のレッスンを受けて来たら、最初の時の衝撃的な違和感はなくなり、ああ、そうかこれが理解さえできたら、自分なりの発音で通じるところに落とし所を決めれば、それでいいのかな、と思った。
えーーー。
なぜか遠くから PEQさんのフランス語レッスンを楽しみにしていたものとしてショックです。。。私ももしモントリオールに行ったら,あんな素敵な先生のいらっしゃるところでフランス語を勉強したい!!と思っていたのですが。
そんないい話,やはりなかなか続かないんだなぁ。。と。。。(涙)
(自分と会う語学の先生にで会うのは本当に奇跡みたいなものですから。。)
でも,いろんな立場の方からのフランス語に対する意見,面白いですね。勉強になりました。
そう、私のショックも相当だったんですけど、新しい先生も結構素敵です。全然違うタイプで、ケベコワでフレンドリーで、与えられた目標をちゃんとこなすタイプの先生です。毎日復習復習で、だいぶ文法項目が頭に入ってきました。