PEQ Montreal
モントリオールで親子留学・海外就職・永住全部目指すブログ
PEQ (ケベック経験プログラム)

また、ドラマの始まり…カレッジに抗議文を送る。

写真はLasalleにあるクラフト用品の専門店!日本でいう東急ハンズのクラフト部門みたいな品揃えだ。外見は地味だけど、中に入ると毛糸やらモチーフの入ったペーパーやら、結構キラキラと華やかで、次に何を作ってみようかと想像するだけでも楽しい。 

 

 

 

正面玄関を入ったところ。正面玄関を入ったところ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在通っている職業訓練のカレッジ。公立なのに外国人留学生に対しては、大学並みの学費を取る。参加している生徒のほとんどは、基本的には移民したいからここに来ているんだけど、もちろんせっかく週に5日も通っているんだから、専門知識を身につけ、何らかの成果を出したい。

ところが、学校の管理が行き届いていない。例えば、今、クラスはDorvalで開講しているんだけど、ここはメトロが来ない場所で、車がないとバスに頼るしかない。学校の説明では、「8週目からは別の場所に移動しますが、スタートはここになります。」ということで、みんな納得してスタートしたのだが、既に3ヶ月が過ぎても何の音沙汰もなし。問い合わせても、「今度説明しに行きますね」という返事だけで、結局誰も来ない。

また、授業のほとんどが、「自習状態」で、講師はPDFに教材をドカーンと入れて「今日はここからここまで。わからないところがあったら聞いてください。」で、後は放置。教室の前の方で授業中PCに向かってひたすら何かしている。(内職しているんじゃないの?)と疑いたくなる。しかも、渡される資料は結構量が多くて、まともに全部自分で理解しようと思ったら、言われた時間では消化しきれない。なので、自然とサマリーのところと、最後のミニテストみたいなところを片付けて、宿題を終わらせて、後はもう少しわかりやすい教材を自分でyoutubeで探して映像で見たり、そこまでやる気がない日は、みんなゲームしたり授業と関係のないビデオを見たりして時間をつぶしてやり過ごしている。この手法で1年半後に他人様のPCのサポートなど、できるようになるとはとても思えない。

クラスメートの中には、「とにかくここを卒業して、PEQクラスで移民できればいいから」と割り切って毎日思い思いのことをして過ごしている人ももちろんいる。でも、せっかく毎日7時間(公式にはね…実質は6時間程度だけど)も費やすのだから、本気で就職に役に立つスキルを身につけたいと強く思う人がクラスの中に数名いた。特に、努力家で頭もいい(しかも親切な)、わたしの一番の仲良し、Dとは、毎日お互いに不満を言い合っていたが、ついに、彼が立ち上がった。

「もう我慢できない。学校に苦情のレターを出そう!」

みんな、それぞれに学校に対して不満は抱えているが、一人では無力なので、クラスでまとまって署名して訴えることになった。

Dが抗議文の叩き台をつくり、クラスのみんなに送った。中味について意見を出した人は私を含めて2人だけだったが、全員署名には参加するということだった。

レターができあがったら、即学校の管理部門に提出しようと思っていたが、Sが、「いや、先生に文句がある分は先生に先に直接伝えた方がいいよ。」という。私もDもそんなことは考えたこともなかったので、「いや、これは一人ひとりの先生の問題というより、学校の管理の問題なんじゃない?」といってみるが、Sは譲らず、急遽レターを出す前に午前中のクラスを担当している比較的優しい女性の講師にまず授業でPDFを自分で読むだけということに不満があることを伝えた。先生に直接、と言い張っていたSだが、いざ切り出すとなるとなかなか自分では言わない(笑)いや、いいにくいのはわかるけど。結局とりまとめをしているDが切り出した。

「Ms G、実は僕たち、学校に抗議をしようと思っています。その中には、授業の進め方に関する不満も一部入っています。」そして、レターを見せると、Ms Gは少し慌てた。Dはまっすぐな人なので、「先生のやり方では、ただPDFで自習してるようなものだから、こんな内容だったら、学校に来なくても自分でできます。」に始まり、結構ストレートで彼女の逃げ場がなくなる方向に行ってしまいがちだったなので、一応クラスの紅一点、場のやわらぎ担当(? 笑)のわたしが途中ちょっと入ってみた。

「Ms G、私たちはあなたには結構親しみを感じているし、一番話しやすいと感じているので、まずは学校に行く前にあなたに直接話してみることにしたんですよ。」

すると先生は、「それは先に話してくれてありがとう。授業に関する問題は、まずはやはり直接講師に伝えた方がいいと思います。だから相談してくれてよかったです。わたしも、来週からクラスのアプローチを変えようとしていたところだったの。」と彼女は完全降伏状態に。するとすかさず、今までおとなしかったSが、「先生、それに僕ら、何か印刷したい時でも学校のプリンターを使わせてもらえないんですよ。」

(え、それは今ここで関係ないよね?)と一瞬思ったが、先生はもう完全降伏モードなので、「あらー、そんなのは私に言って貰えれば、講師はプリンター使用の許可を持っているから、このカードを使ってプリントをしてあげるわよ」という。(苦笑)今ならもれなく願いがかないそうな雰囲気だったが、そこは自重しておいた(笑)。

結局、G講師は苦情を学校に出す時の一番効果的な相手の名前とEメール、そして、クラスメートの署名欄を作るのに便利なようにと生徒各自のフルネームのリストまで提供してくれた。(笑)自分の仕事の存続が危ぶまれる授業内容への抗議は最小限にして、そのことは直接講師と話し合ってね、ということを念押しされた。講師の側も、実は学校の管理には疑問を感じる面があるのだろう。

午後の講師は、直接切り出すほどまだ親しくはなかったのだが、彼にレターの印刷をさせて欲しいとお願いしたので、結果苦情の中身を見ることになった。すると大分文章をそぎ落としたが、まだ「クラスのほとんどはPDFを読むことに費やしている」という一文は残っていたので、この先生も慌てた。(笑)そして、その後の授業は言い訳のオンパレードになった。未だに届いていない教科書についても文句を言ったら、その場で必要なチャプターを全員にコピーしてくれた(笑)

翌日、レターの準備ができて無事学校に提出。まだこの前の木曜日のことなので、学校からの返事は来ていない。

しかし、その日はG講師はクラスの半分をスマートスクリーン(ホワイトボードにコンピュータ画面を表示させて使う)の前でデモに使い、結構しっかり講義してくれた。人間、仕事の存続が危ぶまれればなんでもできる(笑)

そして、午後のクラスではなんと、教室にラボ実験用のPC数台が運び込まれ、ほぼ初めてPCの中を開けてCPU、ハードディスク、メモリなどの取り出し練習を行った。

たった一日で、ものすごい成果。これも、立ち上がったD君のおかげだ。ありがとう、D!

学校に関しては、こんなに如実な反応があるかどうかは疑問だ。何せ今までものらりくらりとはぐらかされている。でも、抗議文を出したことには重要な意義があると思う。ひょっとしたら、この抗議文のおかげで、ほんの少しでも何かが変わるかもしれないし、また私たちが不満を感じていることが公になったことは、ひょっとしたら将来何かに役立つことがあるかもしれない。とにかく伝えようとしなければ、このままでいいんだと思われてしまうのだから。

それにしても、これほど留学生をなめている学校が他にあるのだろうか?抗議文を出したことで、やれるだけのことはやったので(っていうか、Dがほとんどやってくれたんだけどね)私の気持ちはちょっと晴れた。自分たちの意思表示ができたから。でも、これで、学校がどこまで親身になって改善してくれるのかは、疑問だ。

でも、今回面白かったこと。講師に直接訴えるなんて、本当に考えてもいなかったんだけど、今思えば、このちゃっかりしたS君がそこにこだわってくれたおかげで、少なくともクラスの質はテキメンによくなった。お国柄なのか、彼は、けんかせずに自分の得たいものをちゃんと得るという交渉に長けているようだ。そして、矢面に立ったDを守るために、援護射撃で先生に対しきちんと発言をしたり、他のクラスに交渉に行く時にDに付き添ってくれたちゃっかりS君と元東芝のT君。なんか、わたしがこの人はいいな、と思ってつきあって来た人が、結局このドラマの中心人物になっていた。その辺も、うん、やっぱり、思っていた通りの人だったな、と確認することができて、ちょっぴりうれしかった。

(つづく…学校から返事が来れば、ね。笑)

 

ABOUT ME
ちえ子
カナダ在住。モントリオールで日本語教師とゲーム業界での仕事の二足のわらじで活動中。高校生、大学生との親子留学→PEQ(ケベック経験プログラム)で永住権取得。TOEIC 960点、実用英語検定1級、フランス語公式テストTEFAQB2合格。過去にクアラルンプール(マレーシア)で通訳、ロンドン(英国)で商社勤務経験あり。趣味はジャズヴォーカル、City Pop(1970-1980年代日本のニューミュージック)、コメディ映画鑑賞。イチ推し芸人はオードリー若林さん。
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