最近お花尽くしで、メルヘン路線に変更したみたいだ(笑)が、今は冬が開けて花々が本当に綺麗なので、どうしても写真に収めたくなってしまう。今回のは、母の日にハウスメートから送ってもらったもの。自分の娘じゃない子たちまで祝ってくれるなんて、心遣いが嬉しいよね。
また、今回も長くなりそうなので、多分2話完結で(笑)
フランス語クラスこれまでのいきさつはこちら。
さて、今年の12月までに初級からフランス語DELF B2のレベルに達したい、と以前書いていたが、
4月の半ばまではYMCAで、週に2回のコースを取っていた。YMCAには、優秀な先生が多いようで、途中でレベルが合わず一つ下のコースに変えてもらったが、ほぼフランス語のみで初心者を教えられる、イラストの上手な先生で、とても楽しい時間を過ごした。このクラスには主に社会人が集まってきて、生徒のモチベーションが高い。話せなくても何か一言は言いたいと意気込んでいる人ばかりで、そのやる気につい釣られて私もがんばって話そうとしていた。
5月から、そろそろ本腰を入れて曜日も増やしてフランス語獲得を目指すことにした。娘も落ち着いてきたし、彼女も自宅の部屋で一人の時間をゆっくり楽しめる安全な環境も確保できた。
色々迷ったが、最終的には確実にPEQ向けのB2レベルコースで証書を出してくれるMカレッジを選ぶことにした。レベル分けの試験の結果がよくなかったらしく、一番下のコースから入るよう勧められたが、自分はゼロではないという自覚があったので、レベル1の勉強はもう他のカレッジで済ませた内容ばかりなので、レベル2に編入してくれるよう、交渉してみると、あっさりOKが出た。ただし、レベル1の授業料は戻ってこない。4レベルまとめて払って割引を受けたので、ちょうど割引がなくなった感じだ。
前にも少し書いたが、このカレッジは”確実に””早く”昇級させてくれることで有名であり、私としては(先生の質が大したことがなくても、少なくともネイティブの音声を1日3時間聞けて、少しは会話もできるのだから、良しとしなければ。多分教科書の反復練習が主だろうから、コミュニケーションの練習は教室外で自分で何とかしよう)、位の気持ちでいた。
クラスの初日。
先生は、映画MOMO(原作ミヒャエル・エンデ)に出てくるモモが丸い縁のメガネをかけてそのまま大人になったみたいな女性だった。まだ30代の初めくらいだろうか。
この人が、なんとものすごいコミュニカティブで、聞き取り重視で、教科書など1ページも開けずに、授業が進んでいった。
「私は日常表現を何度も何度も使います。ホワイトボードのこちら側に書いておくけど、知らない言葉、忘れた言葉ががあったらいつでも質問してね。何度でも説明します。何十回も使うから、きっと覚えると思います。」
そして、フランス語と、時々英語を交えながら、たまに英語とほぼ同じ単語が出てくると、ゆっくり強調しながら、
「スタシオン、スタシオン…(ここで待って、期待感のこもった目でみんなを見渡して、わからない?わからない?って顔をしてから、英語発言で)ステイション(station)。ほら、フランス語には英語と同じ言葉がいっぱい入っているから、一か八かで単語をフランス語っぽくいったら、案外通じるからやってみて。」
そして話すときはジェスチャーも大きく、目も大きく見開き、生命力のある力強い声(シアター訓練した人みたいな)で生き生きと話す。
「毎回、クラスの始めに、みんなのクラスの外でのフランス語に関わる経験を話して欲しいの。たとえば、こんなフランス語を聞いたよ、とか、こんな時どういえばいいの?とか…」
何かない?と聞かれて、今までの、教科書にしがみついて絶対離れない学習スタイルをレベル1でやってきた子達は戸惑い、みんな「特にありません…」『外でフランス語話していません」で終わらせてしまった。
わたしは、せっかくなので、スーパーでいつもお店の人がたずねてくる、「袋要りますか?」「ポイントカードありますか?」などの表現は、sacとかcarteとかの単語で聞き取っているけど、実はなんていってるの?と質問してみた。
実際の表現を教えてもらった後に、英語で「ケベックの人たちはみんなバイリンガルで、しかも親切なので、私のフランス語がビギナーだとわかるとすぐ英語に切り替えられてしまうんですよね。」と愚痴をこぼした。みんなこれをいうとそうだよねーって同調してくれて話が終わる。
でも、彼女はまた目を見張って言った。
「ほんとうにそうね、でもそんな時は「今、フランス語を勉強しています。フランス語で話してくれませんか?』とお願いしたら、きっとみんな話してくれるわよ。」とものすごい力強くお勧めしてくれた。当たり前そうでいて、こういってくれた人は初めてだった。
なんか、わたし、ものすごくツイてる!?
まさか、学校に来さえすれば証書をもらえるという定評の高いカレッジで、ここまでコミュニカティブで、リアルで、しかも第2外国語教授法のメソッドをきちんと理解した教え方(先にオーラルのみで文法項目の提示、次に文章を見て演習、エクササイズをしてくれる)先生がいるなんて、普通はありえないよ。
でも、ツイていたのは、彼女もここで教えるのは私たちが初めてで、このカレッジの体質など、これっぽっちも知らなかったこと。(笑)彼女は、こころから、私たちにフランス語を話す喜びを知ってほしいと願って教えているのが感じられる。彼女のレッスンを受けるのは楽じゃない。脳がフル回転する。でも、3時間が短いと感じる。
あんまりうれしくて、その初日の夜、そして翌日と、ハウスメートやら、家族やら、コンピュータの学校のクラスメイトやらにどれほど凄い先生に巡り合ったか、というのを熱く語ってしまった。
2週間後に、この幸せに危機が訪れることも知らずに…
長くなるので、続きは次回(笑)
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