PEQ Montreal
モントリオールで親子留学・海外就職・永住全部目指すブログ
ひとりごと的つぶやき

人生に必要な知恵はよく子供から学んだ

ずっと前に、魂の年齢と言うものが本当にあるなら、私のそれは子供たちのより若いに違いないって書いたことがあるんだけど、またそれを裏付けるようなことがあった。

先日、上の娘とフランス語の映画の話をしていた。
私「…その気に入っているポッドキャストに、私の知っている映画の話が出てきてね、すごくうれしくなっちゃったの!”Le goût des autres”っていうんだけどね。
娘「ン?”Le goût des autres”?なんかヘンじゃない?”Le goût d’autre”じゃなくて?」
私「いや、確かdes autresって言ってたと思うよ、確かなことはわかんないけどさ…」
娘「いやでも確か文法的にdesはそこで使えないでしょ。」

言われて自信がなくなり…というのは私には文法的な裏付けなんかなく、ただ聞こえた音をなんとなく覚えていただけだったから。慌てて映画のタイトルをググってみたら、やっぱり”Le goût des autres”が正しいタイトルだったので、面目は何とか保てた…とほっとしていたが、娘はなんかすっきりしていないようだ。
娘「あれ?なんでそうなるんだろ?私が覚えたdesの使い方と違う…なんでだろ?」

いうなり携帯で検索をし始め、”des”の使い方を確認した。そして、
娘「あ、そうかー、多分否定形の時の説明と混乱してたんだわ。」
そう言ってやっと納得して、私たちはポッドキャストの話に戻ることができた。

前から思っていたけど、このその場ですぐ確認するっていうのがすごいなとあらためて思ったので、すぐにそのことを言った。
私「いつもそうやって、その場で調べるよね。ほんとそれがすごいっていうか、私と違うなって思って。」
娘「だってさ、調べないと気になるじゃん。それに、何かわからないことがあった時、それを調べて、わかるようにするしかないでしょ。そうやって今自分ができないことを一つずつ潰していくことで、語学は上達するんだし。」
ほら、名言出てきたよ(笑)

彼女の頭の中には1つ1つ、知らないこと、間違いや誤解を潰していくことで自由に言語を操れるレベルに着実に近づいていく自分がはっきりと想像できているのだろう。だから、気になったらすぐ調べる。
その一方で私の場合は、頭の中に、フランス語という広大な砂漠の中で、うっすらぼんやりとした「フランス語って何となくこんな感じ」っていう捉え方のまま、ずっと行く当てもなくさまよっている自分の姿が浮かんでいる気がする。本気で取り組む前からすでに逃げ腰みたいな感じだ。

いやだって、決してたどり着けない気がしちゃってるもの(笑)男性名詞、女性名詞でしょ、定冠詞でしょ、動詞の活用でしょ…砂の城を作っては完成前に崩れていくイメージ…そう言えば私のフランス語のイメージって砂関係ばっかだね(笑)

でも、自分の中の否定的な思いを打ち消して、娘みたいに一歩一歩流暢なフランス語に前進しているイメージを持っている方が絶対に上達するはずだ。

で、ふっと気づけば、娘の信念は、尊敬しているイチローさんの信念にも通じているではないか。彼も「できない言い訳を潰すために練習する」と言っていた。できるわけないよって信じている人が、できるようになる日は永久に来ないんだよね。

多分、語学学習だけじゃなく、人生の色々な場面で、この差は出てくるんだと思う。何かを成し遂げる人というのは、やはり一つ一つできない理由を潰していっている人だよね。仕事だってそうだ。新しい仕事を始める時って、いつでも自分のできていないことが山ほど見えてきて途方に暮れたりするけど、「よおし、これからひとつひとつ、できないことを潰すぞぉ」って思いでいる人なら、きっと試練を乗り越えて、不可能を可能に変えてステップアップしていけるんだろうね。

また娘の姿に教えられ、一つ成長する母さんだった(笑)ちなみに今の私のフランス語学習と言えば、ここしばらくさぼり続けていたことを反省していたところに、自分のレベルにぴったりと合ったポッドキャストをたまたま友達に紹介してもらい、面白いので、毎日聞くようにし始めたところだ。シンプルなフランス語なのに中身が濃くて話題が豊富で、単語を調べる必要がないので、ストレスもなく楽しんでいる。もっと早くこういう音声に出会いたかった!

それから、先の映画は邦題『ムッシュ・カステラの恋』(原題は「他人の趣味」という意味)。会社社長でお金はあるけど文化教養に欠けている主人公(男性)が、演劇や文学など、洗練されていて文化的なものが大好きだが裕福ではない女性に恋をしたことで変わっていく話。これがなかなか面白い。フランス語字幕で見たので細かいところは味わえなかったが、今度は日本語か英語の字幕付きでもう一度楽しんでみたいな。

国に関係なく、この映画みたいなことってある。文化的なことを「退屈、つまらない」と思って楽しめない人。文化人を気取ってそうじゃない人を下に見る人。でも、まるで本を読んだこともないような人の中に、とてつもない人生の知恵を得ている人がいたりして、そんな人とは話していてとても楽しかったりもする。だから、自分と違う背景を持った人と接する時こそ、なおさら謙虚に話を聞いてみたいなと思う。

フランス映画には、人生の知恵がいっぱい詰まっているから、観ていて飽きない。これが、たまたまケベックでフランス語を学ぶことになった私が得た、最高の特権かも知れないな。


本日のカバー写真は、カナダの夏の風物詩、バーベキュー。私にとってのバーベキューって、炭をおこして、熱くなるのを待って、煙の中でがんばって大量の肉を焼くイベント、みたいに思っていたけど、こちらの人は、ほぼ毎晩の様に裏庭、またはベランダに常備しているでっかいバーベキューグリルで、気軽にお肉を焼いている。どちらかというとイベントというよりは、春、夏の間だけキッチンが外に出ているみたいな感覚なんだろうか。もちろん毎日炭をおこすのではなく、ガス式のグリルが多い。私はバーベキューに特別の思い入れもなかったが、初めて庭つきのアパートに住み始めたためか、夫はどうしてもその庭でバーベキューをしたかったらしい。それで、二人でいろいろ考えた挙句、据え置き型のではなく、車に積んで持って行けるタイプのもので、ガス式のグリルを選んだ。これが本当に使い勝手がよく(といってもBBQ奉行は夫だけどねw)よく週末にさっとソーセージを焼いて庭で朝食、なんて粋なことを楽しんでいる。

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カナダ情報&モントリオール情報、フランス語情報など、週に一回程度、プラス他の方の経験談など折々投稿して、PEQの生の声を伝えていきたく思っています。もしこの情報を伝えてあげたいご友人やご家族がいたら、どうぞご自由にシェアしてください。

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ABOUT ME
ちえ子
カナダ在住。モントリオールで日本語教師とゲーム業界での仕事の二足のわらじで活動中。高校生、大学生との親子留学→PEQ(ケベック経験プログラム)で永住権取得。TOEIC 960点、実用英語検定1級、フランス語公式テストTEFAQB2合格。過去にクアラルンプール(マレーシア)で通訳、ロンドン(英国)で商社勤務経験あり。趣味はジャズヴォーカル、City Pop(1970-1980年代日本のニューミュージック)、コメディ映画鑑賞。イチ推し芸人はオードリー若林さん。

POSTED COMMENT

  1. ひろ より:

    こんにちは、いつも拝読させていただいてます。
    文中のポッドキャストはなんていう名前ですか。

    • ちえ子 より:

      ひろさんへ
      ブログ読んでいただき、ありがとうございます!今イチオシのポッドキャストは、innerFrenchといいます。ポーランド在住のフランス人で、現地でフランス語を教えている人のポッドキャストなんですよ。私のレベルで、ほとんど辞書の必要がないくらい。というのは、知らない単語は出てくるけど、キモの単語は必ず言い換えをして説明してくれてるんですよね。しかも毎回違うトピックで知的好奇心も満たされます。特に、第一回が神回です。フランス語学習について自分の立場をしっかり説明してくれている回なんですが、説得力あります。ちなみにこちら、友人のしばさんのおすすめです。ぜひお試しを!

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