PEQ Montreal
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ひとりごと的つぶやき

山ちゃんからの蒼井優→『フラガール』を観てみた

日本の芸能界は山ちゃん(南海キャンディーズ・山里亮太)と蒼井優の結婚で騒然としていたようだが、私の場合は「え、あの山ちゃんがなぜそんなきれいな女優さんと?」みたいな衝撃はあまりなかった。

ちょっと前にテラスハウスにめちゃめちゃはまり(過去の記事はこちら)、Netflixでビンジウォッチングしていたことがあったんだけど、最初に見たのはリアリティショーへの好奇心から。でもその後はコメンテイターとして出てくる山ちゃんが気になり始めて見ていた。モテない男の屈折した立場からのとってもネガティブな、下手すると陰湿になりそうなコメントばかり言っているのに、なぜか爽快で面白い。多分そんなに正直に自分の陰湿さを認めてしまっているのが面白さの秘密かな…人間誰でも負の部分はあるけど、今はポジティブがもてはやされる時代だし、自分の中のネガティブを出すのはなんかかっこ悪いような、悪いことの様な気になりやすい。だから、山ちゃんが、自分たちの出せない陰湿な側面を見せてくれることで、人は安心するんじゃないだろうか?少なくとも私はそう。負の部分を出してくれている人って、とても勇気があって正直なんじゃないかと思ってしまうのかな。

しかも、見ているうちに、なんとONE PIECEの尾田先生とメル友であることまで発覚したし、その上、彼のYoutubeチャンネルには海外からも色々なコメントが来るらしくて、私が知らないうちに山ちゃんは一部のバラエティ好きな人の間では世界の有名人になっていたようだ。そんなこんなで、彼の株は私の中で上がっていった。

そんな山ちゃんの選んだパートナーということで、蒼井優ちゃんがどんな人なのか、とても気になり始めた。ずっと前に『タイガー&ドラゴン』でも、ダメな男にばっかり惹かれる大酒飲みの女のコの役で出ていて、演技も上手くてかわいくて印象的だった。

今回の結婚の時に話題に出ていた2006年公開の映画『フラガール』を今回見てみることにした。13年も前の映画だけどねw

この映画、実話を元に作られた話で、昭和40年の東北の話だ。彼女の東北弁があまりに自然で驚いたが、実は彼女は福島県出身なので、なんとネイティブスピーカーだったのだ!(笑)それにしても、自然で純粋な笑顔、泣き顔、怒り顔。映画の中の彼女は本当に魅力いっぱいだった。そして圧巻なのはダンス。とても激しいダンスを見事にこなしていて感動的だ。ただ、フラダンスってもっと優雅な、優しい動きじゃなかったっけ?とふと疑問に思うくらい激しい、強い踊りが出てくるが、調べたらやはり、一部タヒチの踊りが入っていたらしい。フラダンスだけだと強さが出ないからちょい脚色したのだろう。ハワイとしての本物ではないのかもしれないが、ダンス自体が素敵だったから、私としてはこれは採用してよかったのではと思う。

映画の中で、蒼井優の演じる若いフラダンサーの卵は、昭和40年代、まだまだ女性はつつましくあれ、仕事は厳しく辛いことを耐えるべきという時代の片田舎で、ダンサーを目指すことになる。親に隠れて学校を休んで稽古に行っていたことを許さず怒った母親から家を追い出されていたが、ある日その母親が娘に送られてきた小包を届けに行った時に、娘の踊りの練習風景を見て、その成長ぶりとダンスにかける思いに気持ちを動かされ、とうとう娘のために必死で協力する側に回る、というシーンがあった。

これが、よく似たことが我が家でもあったため、ほとんどデジャブ―の様で驚いたし、母親の気持ちがよく分かった。まあ、ここまで感動のシーンだったわけではないけどね。

というのは、上の娘が高校生の時、急にベリーダンスを習いたいと言い出したのだ。うちは、夫婦ともに、子供が興味を持ったことはできるだけさせてあげたい主義だ。でも、昭和世代のアジア人の夫婦にとって、ベリーダンスと言うとちょっと抵抗があった。しかも場所は、イスラム教徒の多いマレーシア。結構肌を出して腰を振って踊るベリーダンスをすることで、周囲の人が眉をひそめるようなことにはならないか?他にもっと、無難でかっこいいダンスがいくらでもあるのに、なぜベリーダンス?特にうちの相方は過去に大学の修学旅行?でトルコに行き、そこで本場のベリーダンスを見て、ダンサーの小さな衣装に観客がドル札を差し込むようなシーンを見た(本人も差し込んだかもw)ことがあり、ベリーダンスと言えばそういう性産業的なイメージが強かった。なので、発表会など公の場には、少なくとも高校生の間は出ないという約束でダンス教室に行くのを許可した。

ところが、ダンスというのは、習って上手くなってくれば人前で発表したくなるのは人情。娘も、先生から勧められて「やっぱり発表会に出たい」と言い出した。それで私は、

「そんなに言うなら、私たちの前でどんな踊りか踊って見せてよ。」と娘にむちゃ振りしてみた。すると娘はひるむこともなく、自宅のリビングルームで、BGMをかけて家族の前で一人で発表会のダンスを踊って見せてくれた。

もちろん、まだ習いたての初心者で、目を見張るような技を披露してくれたわけではなかったが、驚いたことに、娘はその踊りで、私たちを完全に説得してみせたのだ。彼女の、指先一つまで美しくあるようにと気を配った優雅な動き、自信のこもった笑顔、踊るのが楽しくて仕方がないといった表情、彼女がベリーダンスを習いたいと思った理由がはっきりと伝わってきた。しかも、家族の前で照れることもなく自分のできる精いっぱいを見せられたこと。彼女は初心者でも表現者だった。ベリーダンスは芸術だった。そして、動きがとても美しい舞踊だと、私たち夫婦は完全に納得して、発表会への出場を許可する、と言うより応援することになってしまった。

そんなことが我が家でもあったため、私は映画の母親の姿にすっかり自分を投影してしまった。

ちなみに、この映画に出てくる3人の女性がそれぞれとっても魅力的だ。主役はダンスの教師役の松雪泰子。田舎にそぐわない都会の女の、垢ぬけて華やかで、退廃的な美しさに圧倒される。特にダンスのシーンは情熱的でとても素敵だ。そして純朴でひたむきな高校生役の蒼井優。彼女も教師と同じダンスでセンターを取れるところまで成長するのだが、その生き生きとしたダンスは、見ていて本当に清々しくなる。そして厳しくて男勝りで、本当はとても温かい母親役の富司純子。それぞれの世代の女性たちが、みんな強くて自分の意志を持っていて、それぞれに素晴らしいなと思った。

イギリスの映画でも、寂れていく炭鉱の町でバレエを踊る少年の話、『ビリーエリオット』という名作があったけど、この『フラガール』も同じくらい気分の上る元気な映画だった。


本日のカバー写真は、昨日まで行われていた「屋台モントリオール」イベントの酒試飲ブース。初めて濁り酒を飲んだ。海外で、屋外で飲む濁り酒もとっても美味しかった。この屋台のイベントは2016年に行ったきり、2年間顔を出していなかったが、久しぶりに行ったら、3年前よりもかなり改善されていて、行列はあったけどわかりやすくなっていた。1回目が大変だったからと言って投げ出さず、毎年続けて行っている主催者の皆さんには本当に頭が下がる。わたしは行列が苦手なので、列の短いところのものしか買わなかったが、お好み焼きフレーバーのホットドッグとか、生のイチゴが入ったバニラアイスとか、美味しいものが見つかってよかった。あと、友人の浴衣の試着ブースも人だかりがしていて、日本好きの人の多さにまたまた感心した。ちょっとゆるい感じでリラックスした構成で、なかなか楽しいイベントだった。

 

ABOUT ME
ちえ子
カナダ在住。モントリオールで日本語教師とゲーム業界での仕事の二足のわらじで活動中。高校生、大学生との親子留学→PEQ(ケベック経験プログラム)で永住権取得。TOEIC 960点、実用英語検定1級、フランス語公式テストTEFAQB2合格。過去にクアラルンプール(マレーシア)で通訳、ロンドン(英国)で商社勤務経験あり。趣味はジャズヴォーカル、City Pop(1970-1980年代日本のニューミュージック)、コメディ映画鑑賞。イチ推し芸人はオードリー若林さん。
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