写真は、ポカポカ陽気につられて、お昼休みに学校の周りを歩き回ったときに見つけたタンポポの一部。全体像を入れなかったのは、たまたま加工をしていて、この方がありきたりじゃなくてきれいだと思ったから。下の方にオオイヌノフグリみたいな花も咲いている。春だね♪
このお話は、前回からの続きだ。前回の分はこちら
4月の28日に抗議文を提出した。実は出した相手は内容も微妙に変えて2人宛てになっていた。
1通は、私たち外国人留学生の管理・世話をしている(あんまりしてないから困っているんだけど)国際部に出した。ちなみに、私たちのクラスは外国人留学生専用のクラスで、カナダの人は1人もいない。
もう一通は、このコースのアカデミックな部分を担当している、カレッジの校長先生だ。彼は、本校に常駐しているので、私たちの校舎にはほぼ来ない。プログラムの提供と、講師の派遣をしているところのトップの人だ。
結果、週が開けて、5月3日にカレッジの校長の方からDにメールが来た。事情を聞きたいから、私の秘書を通じてアポを取ってくださいと。
翌日電話をして、その日のお昼に校長先生のところに代表が行くことになった。Dが私(仲良しだから..笑)と、ちゃっかりS君(車持ちだから…笑)を誘った。まっすぐすぎるDと、ものすごくいい人からすごい意地悪な人に豹変するクセのある私(海外生活が長いとこういう人も結構いるはず…笑)に、ちゃっかり発言で時々焦点がぶれてしまうSのフォーメーションではちょっと不安だったので、私の方からバランスの取れた大人の東芝君も誘った。
以下が、まとめ。
校長「今日は皆さん、クラスを代表してきてくれてありがとう。私は、ここの校長をしているRだ。もう40年もこの業界にいるよ。ITの世界で求められているもの、この業界は本当に幅が広くて、全てを1人でカバーすることはできないからね、うちのような学校でまず生徒にきっちり教えなければならないことは、どうやって自分で情報を見つけるか、そして問題解決をするか、ということなんだ。PDFで教材を与えられているといったが、先生たちはきちんと各モジュールの目的、そのモジュールが終わった時に何ができているべきか、などをきみたちとシェアしているかな?」←まさに私たちが主張した、一番求めていることを最初から言ってくれた!それがあるなら、最初から生徒にも知らせて欲しかったな。
D 「それが、全然ないんです。なので、僕たちは本当に多くの教材を与えられた中で、何が重要なことなのかがよくわからずにとても苦労しています。」
校長 「それはよくないね。学校の方でまとめたモジュールごとの目的があるから、教師たちにメールで連絡を取って君たちと共有するようにしよう。それから、引越しの件だけど…これは、私もつい最近知らされたばかりなんだけど、とにかく知っていることをシェアしようと思う。ケベック政府が雇った工事業者が先日会議で報告してくれたことによると、工事のスタートは6月中旬、完成は秋頃だそうだ。」←まだスタートすらしていない、という重大な話をさらっとしている図。わたしは、人がいいので(笑)てっきり去年の6月にスタートしたと言う意味だと思ってしまい、声を荒げる機会を失った(笑)ミーティングの後でDから、いや、違うよ、今年の6月工事開始って意味だよ」といわれて唖然とした。
私 「秋とは、何月でしょうか?」
校長 「まあ、早くて9月、遅くても11月、恐らく10月くらいになると思うよ。正式な発表ではないけどね。」←今年の4月から、その新校舎で勉強するつもりで、みんなそれぞれ住居のアレンジをしている。私なんかは先を見越してもう新校舎の近くに住んでいる。
校長「講師については、みんながみんなPDFを渡しているだけなのかな?」
D 「まあ、ほとんどがそうです。先生によっては、授業の中身はテキストを丸々読んでいるだけの人もいます。彼は、正直言って教える資格があるのか疑問です。」←やっぱり直球
校長 「いや、彼は相応の業界経験があるんだけどね」
東芝君「僕が思うに、彼は、多分ハードウェアの知識はあると思いますが、ソフトウエアの知識がないので、エクセルのシートで出欠取るのに20分もかかるんです。(注:誇張ではなく事実)」←さすが期待の安定性、しかもほめておきながらとどめの一発、一言で急所を突く。
校長「(絶句)…実は、私の方でも先生の組合という問題に対処しなきゃならないんだよね。組合が先生を守っているから、全ての先生に一定の時間働いてもらわないといけないんだよ。」
私「それは私たちの問題ではありませんっ!!!」←校長、私の言葉を聞いて、紳士のマスクがはがれて顔が引きつる。言ってから、(はっ、しまった、イジワルPEQちゃんが顔出しちゃった)と思ったが、おかげで校長先生が実はすごくいらいらしているのが見えた。
その後、先生の件については全面コントロールがあるわけではないけど善処はしてみる、そちらの方でも先生の評価をしてください、と言われた。
そして、なぜなのか、最後に、
校長 「要は、わたしが言いたいのは当校をそこまで信頼するなってことです。」←ガ~~ン、どういう意味?ねえどういう意味?実はこの校長先生が一番イジワルか?
まあ、多分、彼は「自分を信じてがんばれば、伸びる人はどこにいても伸びる、学校に頼りすぎるな」と言う意味をこめて、学校をそんなに信じるなと言ったと思うんだけど…
でも、ここ職業訓練校だよね。ある程度先生がレクチャーしてくれなければ、実務のことはわからないと思うよ。
一時間ほどのミーティングが終わり、帰り道でDが、「今日のミーティングのこと、どう思った?」と聞いたが、私はそのまま東芝君に「あなたはどう思った?」と話を振ってみた。彼の率直な意見を聞きたかったからだ。
東芝君「来てよかったと思うよ。今までわからなかった移転の予定のこともはっきりしたし、本当にこの学校にあまり期待しない方がいいこともわかったしね。まあ、そんなことはわかっていたことだけどね。」
私「私もやってよかったと思う。国際部とコンピュータ学校の隔たった感じもよくわかったし、少なくとも今日の校長先生の方がはっきりと思ったことを言ってくれたよね。問題は国際部の方から何も返事がないことだね。結局は私たちは国際部の管轄だから、困ったね。」
S 「そうだよ、やってよかったよ。これで秋まで引っ越さないってことがはっきりしただけでも。」
東芝君「でも、クラスの大半は結局、移民できればコースの内容はそれほど気にしないって人がほとんどだからね。」
といったわけで、自分たちの思っていることも伝えたし、知りたかった移転のスケジュールもわかってきたし、とにかく、何も行動しなかった時よりはよくなった。翌週からは、講師たちも、クラスの中でモジュールの目的についてシェアしてくれるようになり、少しは授業にメリハリが出てきたし、棒読みの先生も、読むだけでなく、自分の言葉で大分話してくれるようになった。
私にとっては、今回のことで、クラスの人たちとより深く話すことができるようになり、また、なんとなくこいついいヤツだなと思っていた人が、やっぱり本当に信頼できるいい人だったとわかったことが何よりの収穫。そして、その日から、私のクラスに対する態度も変わってきた。
学校は頼らない。何が自分にとって大事かは、自分で判断する。そして、大事と思ったことは自分でどんどん突っ込んで学ぶ。このことは、Dや東芝君から教わった。こんな大金出して自分で学ぶのかって思うと、ちょっとがっかりだけど、コンピュータの世界は特に、その気があったらいいコンテンツがオンラインでいくらもあるから、後は賢くよりいいコンテンツを見つける目を養えばいい。それができるまでは、先生や、できる仲間に聞けばいいんだから。こんなにいいヤツが回りに揃っているんだから、やってやれないことはないよね。