写真は、カナダで一斉に開き始めた木々の花々の一つ。さあ、春に向かっていくぞっていう勢いがあちこちにあって、うきうきする。
「今日、仕事でいい感じのおじさんにあったんだけどね。」みたいなこと、よくいうんだけど、その時ふっと気がつく。
おじさんって思ったけど、あの人多分40代の半ばか…年下じゃん!
自分の心の年齢は20代で止まっていて、本当の年齢に対する自覚症状がない。
でもさ、歳のことこんなに気にするのって、日本人特有だよね。
学生の頃から、1年年上でも「先輩」ってことで敬語使って、叩き込まれているから、もう年齢の上下関係が確定しないと話しにくいみたいになってる。
すると、海外(まあ、一般的に英語圏かな、他のところはあまり知らないから)に出た時にどうなるかっていうと、フラットすぎて拍子抜けする。
年齢の壁、言葉遣いの使い分けがないから、誰とでも友だちっぽくなる。
海外生活が長くなってくると、それが当たり前のようになるのに、日本人にあった時だけ、この上下関係が復活する。
自国の人と話すときだけ、えらい距離感を感じて寂しくなる時があるのは、わたしだけ?
特に年齢が上がれば上がっただけ、初対面からずーっと経っても敬語を貫かれる。それが社会人として常識的だからだ。
自分もやはり、海外が長くなっても日本人社会で働いてきたし、特に日本語が乱れた通訳というのもみっともない(←日本人的だねこれも)ので、日本語の美しさには気を遣いすぎるほど気を遣ってやってきた。ただでさえ、日本語がおかしくなりがちなのを必死で保っているからね。
たまに、日常的でない言葉がどうしても出てこないことがあったりして、昔クライアントと話していて、
私「マレーシアでは、麻薬を持っていることが見つかったら、(え~~と、Hangってなんていうんだっけ?
言葉が出てこないよ、ええい、間に合わない)
縛り首ですから。」
客「…….…… ああ、絞首刑ですね。」
というようなバックトゥーザフューチャー的なやり取りも何度もしている身だ。
で、この言葉の壁のない日本人にたまに会うととってもうらやましい。
敬語をほぼ使わない人たちだ。誰とでもすぐ友達になれる。
最近は、わたしも敬語やめようと思っている。今通訳じゃないしね♪ もし、どこかであった時に馴れ馴れしくても、今調整中なので、大目に見て欲しい。
本題に入って(笑)、相手に敬語を使うかどうかを判断するのは、やっぱり見た目なんだけど。
3,4年前までかなあ、増えてきた白髪を染めるのに、自然なものがいい!ってことでヘナで染めてた。
ヘナって自然のままだと、オレンジに染まるから、超不自然なんだよね(笑)
なので私は、ヘナ入りのちょっと薬剤も入っている、チョコレートカラーに染まるものを使っていたんだけど、これが時間がたつと色が抜けていって
最後はヘナのオレンジ色になる。その時の頭は、まだ黒い部分と、白髪と、オレンジのトリコロールになり(笑)、はっきりいって美しくない。
それで、ある日、オーガニックの材料を使っているというカラー剤に変えて、ちょっと赤みの入ったマロン色にしてみた。これは調子がよくて、最後まで変色がなく、ただ根元の白いのが伸びてくるだけ。
すると、
「最近、急に若くなったね。何かしてるの?」「やせた?」「何かいいことあったでしょ?」「色が白くなったね」と絶賛された。誰も、髪の色を変えたことには気がつかないのに、雰囲気がものすごく若返ったらしい。それで気をよくして、ずっとその色を使ってきた。
で、今、学生だし、知り合いもあまりいないモントリオールなので、思い切って染めるの止めようか、と思った。で、とりあえず染めた髪が伸びて根元の方から徐々に白くなってきてて、多分今5cmくらい白髪なんだけど、周りの反応がすごい。
1.地下鉄で、明らかに自分より年上の人に席を譲られる。
2.クラスメート、またその他のPEQの学生に「僕は、年齢が高いって理由でこのコースに直接は入れなくて、一旦修士コースで学生ビザを取ったんだけど、君は何で取れたの?」などと聞かれる。(聞いてくるのは今のところ中華系)
3.何かにつけて年齢に関する周囲のコメントが増える(気にしているせいもあるけど)
鏡で、まじまじと白髪多発地帯である前髪の辺りを見るが、個人的にはきれいな色だと思う。でも、白髪=老いという先入観は自分にも、周りの人にも定着しているようだ。多分、白髪があることで少なくても実年齢+10~15歳には見えると思う。
クラスの平均年齢25歳程度、私以外みんな男子で、しかも唯一の日本人。ただでさえちょっと違う存在なんだけど、浮くことなくクラスに溶け込んでいたい、特に若い子らに隔たりを感じられたくない。でも、染め始めたら、もう毎月染め続けなければならない。
この歳で、”PEER PRESSURE”を経験するっていうのも、めったにありえない素敵なことなんだろうけどね(笑)
リタイアした学校教師で、わたしたちのホストのカナダ人女性、饒舌な社会活動家のSに相談すると、「あなたは”Rebel(反逆児)”なんだから、人と違う道を行けば?」とたきつけてくる。
”Rebel”というのは最近彼女が私につけたニックネームで、私たちがカレッジに対抗したエピソードで、結果として首謀者の1人みたいなかたちになってしまったから、こんな風に呼ばれている。あと、私が彼女の持っているイメージの日本人(丁寧、おとなしい、グループ行動)とどうも違うかららしい。ちなみに、彼女の義理のお母さんは、85歳まで髪を染めていて、ようやくあきらめて自然の色に戻したときに、自分の髪をみて、「凄い歳とって見える!」と嘆いていたそうだ。髪を染めることには、自分の気持ちを若々しく保つ、身なりをきちんと整えるという意味もあるんだろうな。
まだ、何度か、染めてみたり止めてみたりと試すことがあるんだろうな。たとえば、将来会社の面接とか必要になれば、きっと染めるだろうしね。
人は見た目が9割らしいからね。