PEQ Montreal
モントリオールで親子留学・海外就職・永住してみた(2019年完了)
ひとりごと的つぶやき

ケータイに1200ドル払う脳!ハイテク奨励のコスト

写真は、以前にボランティア先のチャリティショップのチーフ、Lさんからいただいた誕生日カードのイラストから。本当はここに彼女と二人で仕事している時の写真を入れたかったが、肖像権の事情もあり、できなくて残念だ。実はLさんは昨日…5年ほど続けていたというこのボランティアの仕事を”ご卒業”することになった。ボランティアとはいっても、週に3回フルタイムでこの店に入り、それ以外の日も大量寄付をしてくださるお客さんの家に引き取りに行ったり、店が開いていない日を使って模様替えをしたりと、ほぼフルタイムに近い形でこの仕事に携わっていた。50年間仕事をした後の5年間、引退後のボランティアでここまで力を入れて店の切り盛りをするなんて本当に頭が下がる。

(写真はLさん手書きのPOP…心と自信のこもった筆跡を見ると、ここは彼女の個性があふれた、彼女のお店だったなあとつくづく思う。)

Lさんは、今年73歳。まだまだ元気なのだが、同居中のパートナーが病気になってしまい、これからはその人のお世話をしながら孫と遊んだりして過ごすのだそう。思えば、お店に直接飛び込んでLさんに「ここでボランティアさせてほしい」と頼み、すぐに承知してもらってから、いつの間にか1年が経った。私がフルタイムの仕事についてからは1日だけ、しかも時間を2時間と短縮して細々と続けつつ、お手伝いしながらいいものがあったら買い、また家で不用品が出たらこちらに寄付と、多面的にお世話になっている(笑)彼女がいなくなると聞いて、いい潮時だから自分も一緒に卒業しようかとも思ったが、次に本当に土曜の午前中を使ってやりたいことが見つかるまでは、あともう少しお手伝い続けてみよう…フランス語だけではなく、働くこと、常にお店をリフレッシュし続けることについて色々教えてくれたLさん、本当にありがとう!

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(ちなみに最近、写真の後のマクラ話がどんどん長くなってちっともマクラではない気がしている…苦笑)

下の娘(もうすぐ16歳の高1生、こちらではSec4)は最近、ある携帯電話が欲しいとずうーっと言い続けていた。話題のiPhone XSではない。それは、最近カナダでも大分知られてきた中国ブランド、HuaweiのP20 Proだ。彼女の調べたところによると、カメラの性能が抜群によく、スピーカの音質が良くてしかもバッテリー充電時間がたいへん短いらしい。しかもカメラはライカらしい。小売価格は約1200カナダドル。ため息しか出ないけど…

各国携帯の購入方法は様々あるけど、ここモントリオールでは携帯サービスの会社が「機種アップグレード」という形でデバイスを割引価格で販売している。例えば私が最近機種変更したモデルは、レベル的にはそんなに悪くないはずだが、発売からある程度期間も経っているため、2年間携帯会社のプランを使う約束をすることで無料で手に入った。LG G6だ。デバイスだけ、例えばアマゾンなどで新品を買うと現在500ドルくらいの価格の携帯らしい。

携帯の利用目的が限られている私には必要十分なスペックといえる。

私の利用目的といえば…

1.電話をかける/受ける(多分1日5回以下。家族または、事務的な理由で書けることがほとんど)

2.メッセージを送受信(携帯ショットメールまたはWhatappその他のメッセージアプリ)

3.Eメールの送受信

4.ナビ

5.ウェブ検索

6.フランス語学習アプリ利用

7.ポッドキャスティング(録音音声を聞く)

8.写真、動画を撮る(どこに行っても記録用に1、2枚程度撮るだけ。セルフィーとか興味なし)

9.スキャン画像を撮る

10.Google翻訳その他の翻訳ツールや辞書アプリ

11.ゲーム(勉強のためにw)

ざっとこのくらいの用途で事足りるので、LGのこの機種で十分すぎると思う。というか、モントリオールに来た当時、同じような方法で入手したSonyの携帯も、2年以上たって多少いろいろ詰め込んで容量がいっぱいなことはあったが、何の問題もなく今でも使える。でも、うちの相方にこういわれた。

相方「ほぼ無料でアップグレードできるんだから、少なくとも2年たったら利用しないと損だよ。」

確かに損か得かという観点だけで見ると、機種変更しない方が損ではあるのだろう。必要ではなくてもね。

PEQ「いや、でもね、まだ何の問題もなく使えてるし、この電話を捨てたら、ごみが出るんだよ。環境的によくないでしょ。」

そうやってのらりくらりとかわしていたがある日、相方に強引にセールススタッフの目の前に連れていかれて、気が付いたら機種を変えることに決まっていたというありさま。わたしには、テクノロジーに対する情熱も欲もあまりないんだろうな。 一方で娘は、常に自分が欲しい携帯はこれ、Tabはこれというようにはっきり決まっているらしい。しかも、小さい頃からの癖で、いったんほしいと決めたら他にブレることがない。

娘「Huaweiはまだカナダではそんなに有名じゃないけど、でも、もう知っている人は知っているんだよ。だってカメラの性能が他のどこよりいいんだもん。使った人とかのレビューもいっぱい見たけどみんなよかったって言ってるよ。」

こういうことを切々と訴えてくる娘。こんな時、親としての感情が2つに揺れる。 1つは、「まだ自分でお金も稼いでいない学生の分際で何を贅沢いってるんだ?」という気持ち。特に、新しいiPhoneが出るたびにそちらに機種変するようなクラスメートがわんさかいる環境で、携帯は新しいのが出たら替えるのが常識みたいに考えて、全く辛抱ができない子になってしまったら、本当に困る。 もう一つは「ハイテクグッズを物おじせず使えて、問題が発生した時にどうしたら解決できるか、そこへの道筋を知っていることはとっても重要」っていう思い。自分がコンピュータサポートコースで勉強したにもかかわらず、なかなかPCの問題を解決できないのに比べて、娘は色々な場面でどうすればいいのか知っている。また、どんな言葉で検索すればいいのかを知っているようだ。 現に、私が何か携帯やPCのトラブルがあった時、いつもこの子がいくつか対処法を提案してくれるし、しかも携帯で目的画面を見つけ出す速度が「あなたはこの携帯製造会社のスタッフか?」と突っ込みたくなるくらい、早い。こういうのは、常に携帯の色々な画面に行って試していないとなかなかできないはず。私程度のユーザーがぶち当たるような問題なら、もう過去に当たったことがあるんだろね。もう趣味としては黒帯級といえるのではないだろうか。 だから、差し当ってそのハイエンドの機種がなくても生活や勉強に支障をきたすことはないけれど、これはハイテク慣れするための研究費だと考えることもできる…それにしても、500ドルで事足りるものにわざわざ1200ドル使うってわたしにはやっぱり「理解はできても納得はできない世界」だ。

しかし、そこにあともう一つの要素が加わる。それは、私に足りないもの。「本物へのこだわり」笑 今はただの学生の無駄遣い、贅沢、わがままとも取れることだけど、将来この子が例えばある写真を見た時に、その質を読むことができるのか。もちろんこれには単なる画質のことだけじゃなく、芸術的なクオリティなども入るから、いい道具を持っているから誰でもいい写真が取れるというようにはならないけどね。でも、そこにこだわりたい気持ちを持てるかどうかは、やはり大事な気がするのだ。

ということで、とりあえず実際にそのデバイスを入手するために少しでも安くなる方法があるのかを確認するため、まずは娘にVirgin Mobileのお店に下見調査に行かせ、プロモーションを調べてもらった。その週末、別のお店と元のその店に戻ってその日の価格を確認、さらに別のキャリアー、Fidoにも一緒に行ってみて価格の差があるかどうかの確認をした。 その後で、娘には、自分のこの複雑な思いを伝え、本人が欲しくて買うのだからと2年の契約により割引になった携帯価格350ドルのうち、250ドルをお小遣いから負担させ、差額の100ドルプラスこれから2年間の契約が今までの割引額が適用しなくなるために発生する、月15ドルx24回分=360ドル、合計460ドルに約15%の税金を私達親が負担することを提案した。(2か月後に誕生日が来るので、その時に上げるはずだったプレゼントの代わりにするよといった)まあ、大岡裁きの三方一両損的な納め方ともいえる(ははは…意味不明でごめんね、笑)。

ちなみに、簡単に説明すると、このP20 Proは

小売価格=約1200ドル

携帯会社のプランに2年間加入することでデバイス価格は以下のように割引になる。(Virgin Mobileの例)

月79ドルプラン $0

月69ドルプラン $199.99

月50ドルプラン $349.99

プランの値段の違いは基本的についてくるデータ通信量の違いだ。

簡単にほいほいと買ったつもりは決してない。娘はあっちに行ったりこっちにいったりと、本当に携帯が手に入るのかわからない間、ティーンエイジャーらしい「うんざり」マークを額に張り付けたような顔をしていたが、最終的に私の提案を聞くと、やっと笑顔を取り戻したw 娘は元々は350ドルプラス税金を負担する覚悟でいたので、250ドルはもちろん痛いけど、自分の本当に欲しかった機種を得られた上、思っていたより負担額も少なめなことで、とてもうれしそうだった。

翌日娘はKijijiで、携帯のカバーを売っている人を見つけ、5ドルでカバーをゲットする予定だったが、先方は、取引に現れた娘がまだ子供だったのを見て、結局ただでくれたそうだ(笑)いい人多いな、カナダって(笑)

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カナダ情報&モントリオール情報、フランス語情報など、週に一回程度、プラス他の方の経験談など折々投稿して、PEQの生の声を伝えていきたく思っています。ただし、状況は常に変わっていきますので、PEQで行こう!と思われた場合は、必ず最新情報を一つ一つ確認して進めていかれることを強くお勧めします。

ABOUT ME
ちえ子
カナダ在住。モントリオールで日本語教師とゲーム業界での仕事の二足のわらじで活動中。高校生、大学生との親子留学→PEQ(ケベック経験プログラム)で2019年に永住権取得。趣味はコメディ映画鑑賞、日本のお笑い鑑賞。時間があると動画編集と日本語の音声教材づくりを楽しんでいる。
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