写真は、宇多田ヒカルちゃんじゃないけど今朝拾ったメープルの葉。葉脈がはっきり緑でとってもきれい。自然の色の組み合わせに勝るコーディネーションはないなあ、と感心する…
さて、先日、間接法のフランス語クラスにサヨナラし、新しいクラスにいきなり飛び込んだ。
新しいクラスは開講して1週間が過ぎたB1クラスで、わたしたちは3週間、間接法のクラスを終わったところで、後戻りする形でこのクラスに入った。
最初の日、前の方の席にTと私で並んで座っていると、N先生が入ってきて、ちょっと薄く微笑みながら、最初からフランス語で
「あなたたちは、何でここにいるの?なぜクラスを替わりたいの?」と聞いてきた。
つたないフランス語で、「あなたのクラス、あなたは全部フランス語で話すと知っています。だから、あなたのクラスで勉強したいです。」とだけ、なんとか伝えると、先生は
「ふん。」と、メリーポピンズみたいな返事をして(なじみのない人の方が多いだろうか?本の方のメリーポピンズは人に媚びない、ディズニー版とは違う)、でも、納得した顔で先生はクラスをスタートした…
が、早い。今まで英語に慣れてだれきっていた私とTは、急に(こりゃ、とんでもないところに来ちゃったかも…)とお互いの顔を見合わせた。
でも、よく聞くと、確かにスピードは速いけど、先生はボキャブラリーをかなりコントロールしてくれているので、しっかり集中すれば、言っていることの7割はわかった。
この緊張感と、新しいことを日に日に学ぶ感じ!これがほしかったんだ。3時間は矢の様にあっという間に過ぎ去ってくれた。信じられない。
でも、隣でリスニングが苦手なTは青ざめている。文法の説明になると、まるで分らなくなるらしい。
何日かレッスンが進み、なんと前のクラスで一番苦しんでいた、あの一番発音が下手で一番できなくて困っていた男の子が、同じクラスに移ってきた。
(わっ、あの子は大丈夫なのかな?)とちょっと気になっていたが、驚いたことに、彼の話すフランス語を、先生は理解した!聞いていて私もわからないのに、である。
そして、「それはいい質問ね。」なんて返して、きっちり彼の質問に答えてあげる。意外なことに、彼の方も先生の言うことを概ね理解しているようだ。前のクラスであんなにできない風に見えていたのは、実は彼は英語が理解できなかったからではないかと思われる(笑)
先生はまめに演習問題の宿題を出すのだが、何回か提出すると、クラスでの様子と合わせて、生徒一人一人の弱点を把握してしまっている。
例えばいちいち英語に訳さないと意味が理解できない人とか、本当はものすごいきちんと勉強してきて、文法の内容は完全にわかっているのに、いまいちフランス語の発音やリスニングが弱いために自信が持てない、Tみたいなタイプとか。
で、私はどんなタイプだと彼女は判定しただろうか?
私は、先生の言っていることは、おそらくクラスで2番目位にわかっている。聞き取りは結構できている。そして先生の質問にもすぐ答えられる。語彙もこのレベルにしてはある方だから、その語彙を使って返事ができる。
ただし、答えは単語で返すのみで、文章になっていない。
私の弱点は文法。習っても習っても翌日にはルールをきれいに忘れてしまうのだ(笑)。だから文章がいつまでたっても作れない。今、私の生活には宿題以外の復習に当てられる時間はゼロ。クラスの中で全てを消化するしかない。でも、復習しないと、文法はなかなか身についてはくれない。特に動詞の活用なんかはかなりきつい。
先生は私のそのギャップにいち早く気づき、
「なんで?何であなたはテストだとできなくなるの?クラスではよーくわかっているのに?」とものすごい不思議そうだ。そりゃそうだ。クラスで先生のジョークや投げかけにいち早く反応するのは私だから。
そして、フランス語のポッドキャストで拾ったネイティブ表現を、単語の間に入れて話すために、まさか文法がそこまでできないとは思われにくいのだ(笑)人を煙に巻くのが得意なのだ。年の功なのかもね(笑)
まあ、とにかく、この先生は生徒一人一人の弱点を理解して、その人に合わせた質問の仕方や、フィードバックをしてくれる。これがプロだよね!
先日、クラスで一番できる男性が、先生の勧めで、B2クラスに入るためのインタビューを受けた。
B1のクラスをまだ完了していないのに、力さえあればB2のテストを受けて同時進行可能と聞いて、私は年内にすべてを終わらせるチャンス!と浮足立った。
「え、本当にそんなことができるの?」と目を輝かせて叫んだ私に、先生が
「あなたたちはまだまだ全然無理です!」って、間伐入れずにきっぱりと言い、私の夢は2秒で打ち砕かれた。
でも、このシャキシャキっとした物言いがすごく好き!そして、作文などを仕上げてくると、きっちりすぐに直して、フィードバックしてくれるところも。フィードバックの時は、とても優しい目で話してくれるところも。彼女は努力をするものには、とても親切なのだ。
この先生に、あなたは本当によくできるようになったわねー!と言われるようになりたいというのが、これからの私の夢になった。絶対言わせて見せるよ!