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親子留学

カナダの高校留学で身に着く英語ライティング力は?どう鍛える?

(前書き:ケベック州では、2020年3月19日現在、教育機関や出社の必要性がない従業員の 自宅勤務などの措置が取られ、今は外を歩いている人の数も少ない状況。 でも、今、私は自主的に自宅待機中で時間があるため、通常運転な感じのブログを継続することに決めた。 こんな時こそ、普段できていないことに力を注いでみよう!)

カナダの高校留学で身に着く英語ライティング力は? - 現地で高校2年生(セカンダリー5年生)の娘の現レベルは?

カナダは英語圏。だから、カナダにいれば英語は自然に上達するはず…と思いがちだが、中学・高校留学でどのくらいのレベルの英語を期待できるのだろうか?

中1でカナダ→公立英語のセカンダリースクール1年生に

下の娘はSec1(またはYear 7)の2学期から転入した。娘は、難しい語彙を使わず、自分がよく知っている単語だけでシンプルに作文や小論文を書き、常にまあまあ高得点(85点以上くらい)を取っていた。英語のクラスは来た当初から概ね、Aの成績を取っていた。これは自慢じゃなくて、(うそでしょー)という驚きの方が大きかった。

マレーシアの中華系の公立小学校では英語の成績はいい方だったけど、それはあくまで第2外国語としての英語。しかも文法や発音は”とことん”粗があった。だから、カナダでは通用しないというか、しっかりするのに時間がかかると覚悟していた。でも、文法の方はほどなく8割方できるようになり、発音もいつの間にか「むっちゃカナディアンやん」という感じの北米系に染まっていった。やはり環境による影響が大きいのだろうか。

ちなみにクラスメートに、日本から来たほぼ英語ができなかった子がいたが、その子も1年は大変苦労したが2年目からは普通に友達との会話に入っていくことはできていたようだ。2年を過ぎた頃には、学業も結構追いついていけそうだ。ただし、ケベックの公立の英語セカンダリーにはESL(英語準備コース)がないので、海外からの学生は最初から普通のクラスに入って、何もわからない状態でクラスに参加する。この辺は、家庭で親がフォローしてあげたり、チューターを付けてあげる必要があるかもしれない。

Sec4からは私立の英語のセカンダリーに

Sec4(Year 10、日本でいう高1)からは、私がCSQ(ケベック選民)の資格を取ってしまったため、公立はフランス語にしか行けなくなり、やむなく私立の英語のセカンダリーに転校した。

この時、担任が英語の先生になったんだけど、成績表受け取り面談の日に行くと、
「娘さんはカナダ人よりも英語の成績がよく、言うことはありません。」と太鼓判を押されてまたビックリ。でも、この”カナダ人”というのはケベコワなので、本来フランス語ネイティブで英語は第2言語のカナダ人のことだと思う。ケベックには、本当の英語ネイティブは少ないのだ。

例え、どれほど英語がペラペラだったとしても、やはり英語だけで育った人とは触れる語彙の量が違うと思う。つまり、ケベック州の英語の学校には、モノリンガルの英語話者はほぼ皆無。先生方も移民など含み、第一言語は多様になっている。ちなみに、偶然かも知れないけど、私立の学校の英語クラスの先生だけは、2年連続アメリカ出身の英語モノリンガルの方々だった。

高校でのプレゼンテーションで、先生が激怒?!‐ 語彙が足りてない!

文章のTPO(時・場所・目的)の見極めは、経験していなければ身につかない

現在娘はSec5、最終学年だ。先日、「倫理と宗教文化」のクラスで、グループプレゼンをしたそうだ。ところが、先生が、娘のチームのプレゼンが始まって1分も経たないうちに急に怒り出し、「なんなのそれ、あなたたちのプレゼンは文法がなってない!原稿を貸しなさい!!」と言って、クラスの目の前で原稿に赤ペンで訂正を入れ出したそうだ。実は娘がその原稿を書いていたので、侮辱された気がしたのだろう。娘は、家に帰って私に不満をぶちまけた。

教師のフィードバックの仕方には問題あるなあ、と思ったけど、まずは落ち着いて本当に原稿に問題があるのかチェックしようと思い、原稿を読んでみて、先生の怒りの意味が分かった。これは文法の問題というよりも、スタイルや語彙の使い方の問題だ、と思った。原稿の文章は、まるで友達に話すようなシンプルな文体で書かれていた。直されていた個所は、例えば、stealing company’s moneyがembezzlementに直されていたりなど、文法と言うより、もっと適切な単語、”big words”(難しい言葉)を使ってほしいということなんだよね。間違ってはいないとはいえ、あまりにもシンプルな英語に、(やっぱりこれはカレッジで通用する英語とは言えないかも」と思った。

ネットで調べて、さっと正しいスタイルに直す力

PEQ「先生の言い方は本当にひどかったと思うし、クラスの前で恥をかかせるやり方も本当によくなかったね。でもママ、この原稿の直してるとこ見て、言いたいことはわかったよ。これは文法の問題じゃなくて、プレゼンというシチュエーションに合った書き方ができていないってことだったんだね。」
娘「わたし、ほんっとに怒れたけど、先生にもやり直しますって言ったし、もう一回書き直すつもりだよ。」

そして、娘はその夜、プレゼンの原稿を完全にやり直したらしい。

翌日、娘の原稿をもう一回見て驚いた。今度は本当にプレゼンにふさわしい英語になっていた。
PEQ「本当にこれ、Hちゃんが書いたの?すごいレポートっぽく書けてるじゃん!」
娘「”How to write a case study”みたいなサイト、調べたんだよ、2時間かかった…でも、どこかから引用してきたところは”According to…”ってしてあるし、それ以外の文章は全部自分で書いたんだよ。先生も最初から、こういうスタイルで書けって言ってくれればいいのに!クラスのみんなに発表するんだからと思って、みんなにわかりやすいような言葉を使ったのに。」

やるなあ、Hちゃん… この、必要な時に資料を集めてきて求められているものに合わせて作りだすことができる力って、本当に今時必要な資質なんだよね…

とりあえず、何もなしで立派な小論文を組み立てる練習などはしてなさそうだけど、(マレーシアで上の娘が通ったローカルインターでは、それは徹底的にやってくれたのに)ここカナダでは、インターネットの力を借りてなんとか宿題をこなすだけの英語力、と言うか調査力だけは身につけたレベルってことらしい。もう最終学年なんだけどね〜。

現地にいるだけでは到達できない!アカデミックな英語を身に着けるためにできること3つの提案

学校に行っていても、自分から求めていかなければ、このようなライティング力は身についていかない。そこで、ここからは、 元”ヘビー級英語学習者”として色々試して失敗も成功もしてきた経験から、必要な書き方をシチュエーションに合わせてできるようにする、またアカデミックな文章を上手く書くための3つの提案をまとめてみた。

1.語彙力と表現力 – 書くために一番重要な基礎

語彙力、表現力を伸ばすためには、やはり読むのが一番早い。自分の好きな分野の文章を中心に、そして追加で多少時事に通じるという意味、そして多岐な語彙に触れる意味でも、ニュース記事を読むのがお勧め。

私が英語の語彙力、表現力アップで今まで一番勉強になったと思うのはこちら。(ただし、こちらはイギリス英語だw)
https://www.economist.com/
ちょっと自分にとっては難しすぎるなっていう時から、複数の方から勧められて無理やり読んでいた。1つの記事を選んで、その記事だけはわからない単語がないように全部辞書で調べた(精読)。それ以外の記事は多読のために、なるべく辞書を使わず読んだ。間違いなく、普段使わない難しい語彙(時事やビジネス、経済系)を増やすにはもってこいの教材だ。

もう少し簡単なところから始めたい場合はこちら。
https://www.japantimes.co.jp/
ジャパンタイムスだと、元々日本に関する記事なので、英文でも理解しやすいし、比較的簡単な英語で書いてあるので、時事英語の入門にお勧めだ。

2.たくさんインプットできたら、書いてみよう

書く方のサポートは様々あるけど、無料で結構なところまでやってくれるのはこちら。
https://www.grammarly.com/
文法の間違いやより良い言葉の選択肢を薦めてくれたりする、すごい助っ人だ。
もちろん、有料の方を選べばより高度なカスタマイズもできる。

3.書いたものは見てもらうといい

可能であれば、書いたものを自分で見直す以外に、第三者の意見も聞けるといい。例えば同じコースの仲間同士でフィードバックしあってもいいし、ライティングの得意な人に見てもらったり、先生のフィードバックをもらったりするとよい。大学であれば、レポートライティングのチューターを紹介してくれるサービスがあったりする。

まとめ

カナダのセカンダリーでは、英語の四技能の基礎力は身につけられる。しかし、余り厳しくライティングを鍛えられる機会はなさそうだ。そこからはその人次第。応用編は自分でリサーチ力を身に着け、場合に応じて必要な情報を追加していけるようにしよう。

今週のカバー写真は、うちの常連わんこ、Kちゃん。姉ちゃんがやっていたドッグシッターの仕事を、今は下の娘が引き継いでいる。なので我が家にはよく、こんなにかわいいお客様がお泊りしていく。自分の家の子として育てていくことも素敵なことだけど、シッターとして他の家のわんこを預かるのは、本当に楽しい。みんなそれぞれ個性がある。ちなみにこのKちゃんは、本当に共同生活しやすい、気のいい子だ。おかあさん(飼い主)が出張が多いため、うちを第2の我が家としてくれている。

ABOUT ME
ちえ子
カナダ在住。モントリオールで日本語教師とゲーム業界での仕事の二足のわらじで活動中。高校生、大学生との親子留学→PEQ(ケベック経験プログラム)で永住権取得。TOEIC 960点、実用英語検定1級、フランス語公式テストTEFAQB2合格。過去にクアラルンプール(マレーシア)で通訳、ロンドン(英国)で商社勤務経験あり。趣味はジャズヴォーカル、City Pop(1970-1980年代日本のニューミュージック)、コメディ映画鑑賞。イチ推し芸人はオードリー若林さん。
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