PEQ Montreal
モントリオールで親子留学・海外就職・永住全部目指すブログ
カナダ(モントリオール)生活

モントリオールで家・アパートを買う(カナダ不動産購入のコツ) Part1. 予備知識編

1.モントリオールの不動産事情 賃貸の状況をさらっとおさらいしてみる

Rent Jungle調べによると、2020年1月のモントリオールのアパート家賃平均は$940(以下$はカナダドルを表す)。1ベッドのアパートの場合は$833、2ベッドで$1057。これらは昨年との比較だと0.5%程度の上昇率ということなので、平均で言えば、モントリオールの家賃はそれほど急激な高騰を見せてはいないようだ。

でも、肌感覚で言えば、0.5%の上昇では低く見積もられすぎている気がする…以前もアパート探しの件を記事にした時に書いたが、最近のモントリオールでは、誰かが引っ越した直後のアパートの家賃はガクッと上がる。同じアパートに住み続けている場合は、確かに毎年急激に家賃が値上がりすることはないようだが、約1年前に私達が引っ越した後、次にそのアパートに入った人の家賃を確認したら、18%増となっていた。おまけに、その人たちは大家さんが広告を出した翌日に即決だったそうだ。なので、モントリオールでは、賃貸の場合はできるだけ引っ越さない方が支払う家賃の対価に見合ったアパートの品質を保てる。同じ家賃のレベルで引っ越ししようとすると、アパートの品質やロケーションで妥協しなければならないことが多くなりそうだ。

Rent Jungleの統計資料はこちら。
https://www.rentjungle.com/average-rent-in-montreal-rent-trends/

2.家賃の心配をするくらいなら不動産は購入が吉かも?!

もちろん、上の平均家賃は、ダウンタウンや高級なアパートも含んでのものなので、場所や条件によって、ここから2〜3割くらい下回る家賃のエリアだって見つけられないわけではない。でも、もし、この平均家賃程度を払っている人であれば、ひょっとしたら買った方がオトクな場合も多々あるのではと思う。

では、2ベッドで$1057を払っている人の場合でシュミレーションしてみよう。

3.頭金はいくら要るか?

これは、いくつかのポイントの掛け合わせで決まる。

a. モントリオールにどのくらい資金を持ってきているのか/持ってこられるのか?

カナダでのステータスが確定していて、すべてを引き払ってここに来た、という人でない限り、日本その他の場所に資産をまだ残している人は結構いると思う。カナダに現金を持ってくる場合は、海外の資金を「降って湧いたような形で」持ってくることはできない。カナダに住んでいると皆、確定申告をして所得税を収める必要が出てくるが、その際に、海外の現金預金・不動産を含む資産をカナダの税務署に報告しておく必要がある。ちなみに海外資産を申告することにより税金が即座に発生することはないが、海外の資産が家賃収入、利息などの収入を生んでいる場合は、この収入は申告が必要になるそうだ。

なぜこのようなカナダの外の資産の話をしているかというと、例えば海外の資金をカナダに持ってきて不動産購入する予定があった場合、所得税の申告の際に報告してあった海外資産がとても少ないのに、海外から多額の資金を持ってこられる、という矛盾が生じないように、事前の報告をしっかりとしておく必要があるからだ。

b. カナダでの収入とローン

すでにカナダで収入がある場合、住宅ローンを組むことが可能になる。例えば、今の収入からいくらまでのローンを組めるかの計算をしたり、諸費用の計算など、今ではオンラインでいろいろ使えるツールがある。

住宅ローンのレートを確認するサイト例
https://www.ratehub.ca/mortgages

諸費用の確認については、実際の不動産物件の案内サイトで詳しく見ることができる。
例えば以下のようなサイトだ。

Centris – 多くの不動産エージェントがここに物件を掲載している。
https://www.centris.ca/en

Du Proprio – こちらは、エージェントを通さない売り手と買い手の直結サイト。
https://duproprio.com/en

c. 現時点でのカナダでのステータス(学生、ワーカー、それとも永住者?)

購入時の政策により、外国人が最低限必要な頭金は変わる。例えば、私達が住宅ローンを組んだ2018年の10月には、ワーカーステータス、永住権なしの場合でも頭金5%からローンを組むことが可能だった。その後政策が変わり、2019年に友人が家を購入しようとした際には、永住権がない場合このようなオファーをしてくれる銀行がなくなったそうだ。現在では、おそらくカナダ人と永住権保持者にはまだ5%の頭金で買う方法が残されていると思われる。この辺は、ローンのブローカーや銀行のローン担当者に最新情報を確認するのが確実だと思う。

基本的には、永住者またはカナダ人ではない場合は頭金は30%必要と言われているが、私達がローンを探していた当時、3つの銀行に問い合わせて1行だけは5%OKだった。ただし、頭金30%以下の場合には、購入物件価格の4%分の与信保険を買ってローンに組み込むことが義務付けられていた。

これはどういうことかというと、例えばわかりやすく300,000ドルの物件を購入の場合、300,000×4%=12,000ドルを信用保証保険として買わないといけない。ただしこれはローンに組み込まれるので、頭金5%の場合、頭金は15,000ドル、ローン金額が285,000ドルとなる代わりに285,000+12,000=297,000ドルでローンを組むことになる。購入時に12,000ドル余計に支払うわけではない。

もし、頭金を30%払うだけの余裕がある人はいいけれど、手持ちの現金を減らしたくない場合や、この後も不動産を買う可能性がある場合は、最初の不動産の頭金をできるだけ少なくしておく方がいい。4%の支払いは大きいけれど、モントリオールの不動産価格の上昇が年間5%を超えているのだから、予定より1年早く購入する代わりに4%払うと考えれば、私はこの信用保証保険のスキームは使える人は利用してもいいのではと思う。

とはいえ、現状30%以下の頭金では買えない場合も多いので、次回Part.2では、頭金を30%用意できる場合と、5%の場合でシュミレーションしてみよう。

(続く)

今週のカバー画像は、この時期の風物詩となっている雪かき。今年は比較的雪が少ないという印象だったが、2月に入って学校がお休みになるくらいの大雪が降った。家族で気がついたら自主的に雪かきをして、他の人が歩きやすいようにしている。

ABOUT ME
ちえ子
カナダ在住。モントリオールで日本語教師とゲーム業界での仕事の二足のわらじで活動中。高校生、大学生との親子留学→PEQ(ケベック経験プログラム)で永住権取得。TOEIC 960点、実用英語検定1級、フランス語公式テストTEFAQB2合格。過去にクアラルンプール(マレーシア)で通訳、ロンドン(英国)で商社勤務経験あり。趣味はジャズヴォーカル、City Pop(1970-1980年代日本のニューミュージック)、コメディ映画鑑賞。イチ推し芸人はオードリー若林さん。
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