写真はWellington Streetにある、とっても素敵なチーズ専門店。チーズの他に、パンや生ハム系の加工肉も置いているが、どれもこれも筋金入りに美味しそうだ。試しで買ったバゲットもずっしりと重くてもちもちっとしていて、その日の朝に焼き上げた感がたっぷり。チーズも、パンも、ほんの少し贅沢な値段なのだが、こういう基本的な食材をケチって日々の食事がミジメになってはいけない。昔、料理ずきの叔母がよく言っていた。「お米とお茶だけは絶対いいものを買うようにしている。」って。カナダの食生活では、バゲットとチーズがこれに当たる気がする。桜の木のチップでスモークした半透明の茶色になったチェダーチーズを買ったら、涙が出るほど美味しかった!心の幸福と平和のためにも、パンとチーズは美味しいものに限るね!
今日は、娘の高校(セカンダリースクール。日本でいえば、中高一貫校のような中学1年から高校2年をまとめたようなもの。)について。
ティーンの娘から、いろいろと学校の情報を聞き出すのは至難の業で、いろいろ聞けば聞くほど口を閉ざされてしまうので、基本はあまりあれこれ詮索しないようにしている。でも、たまにどうしても誰かに聞いてほしくなる時が定期的に来るらしく、そういう時に聞く情報から、ハハオヤというものは情報を分析し、子どもの状況を把握する。娘は、モントリオールの英語を媒介語とした公立高校に通っている。現在、英語の学校に通える子供について、モントリオールには大変厳しい制約がある。
カナダ人の場合、親が、ケベック州で英語教育を受けていたという証明がないと、英語の学校に行く権利はもらえない。たとえば、親がフランス語の学校に行っていた場合は子供たちも自然にフランス語の学校になる。いくつか、抜け道はあるみたいだけど基本的にはこうなっている。
私達外国人の場合親が留学中は、子供は英語の公立に行けるが、ケベック州で移民の前段階の、ケベックセレクションという資格を取った後は公立校はフランス語しか選べない。というわけで、今は、英語の公立高校にいるのは、エリジビリティを持っているカナダ人か、または私たちのように親がフルタイムの学生か、または労働許可証を持って働いている場合で、まだCSQを持っていない場合に限られる。絶対数も減ってきているし、学校に与えられる予算も年々減額されて、公立の英語の学校は大変厳しい状態にある。
限られた予算の中で、スタッフの人数をやりくりしながらなので、英語の教育委員会に属している小学校、中学、高校は統廃合などの脅威と闘いながら苦戦を強いられているところが多い。
おそらく、そんな中で、娘の行っている学校は、順調に生徒数を伸ばしているのではないだろうか?というのは、この学校にはほかの学校には見られない特徴があるからだ。公立高校なのに、名前がインターナショナルとついている。おそらく、マーケティング戦略上、インターナショナルという名前をつけたのに違いない。そして、それは成功しているようだ。インターナショナルだけあって、外国人生徒の数が多く、特に中国人と韓国人の生徒は、勇敢にも英語がまるで話せない状態でこの学校に来る子も多い。ただ、残念なことに、この学校にはESL(第2言語としての英語クラス)はない。英語ゼロの子たちも、普通のクラスに入って、無理やり英語に惯れる。半年も経つと、なんとなくクラスの内容もわかってくるし、授業にもついていけるようだが、それまでの苦しみは想像を絶する。中には、半年を待たずして脱落していく子もいるらしい。普通、インター校にはESLがあって、初めは英語だけを勉強する。でも、おそらくそんな予算はないのだろう。
でも、ESLはないのに、FSLはある。フランス語は、初めての子には小グループで基礎から教えてくれるようになっている。英語も同じことをすればいいのに、それは許されていないらしい。
この学校に入った時、まずは教科書が1ヶ月ほどほとんどない状態だった。そして、ロッカーが空いているのに、ロックの予備がないからということで、3週間もほっておかれた後で、「自分でロックだけ買ったら使ってもいい」ということになり、3ドル出してロックを買い、やっと教科書や、バッグを入れておけるようになった。1ヶ月くらいかけて少しずつ、各科目の先生から渡された教科書は無料配布のようだ。1月に入学してこれまで、制服以外にはお金を請求されていなかった。しかし、4月になって初めて、School Feeなるものの請求が来た。本来は学年始めの9月に請求されるものらしく、年間350ドルらしい。これらで、部活、遠足、イベントなどの費用を賄うようだ。ただ、初めて請求をもらったのに、催促状のような書き方で全員に宛てて出しているのがびっくり。生徒の中にはとっくに9月に払った人も多くいるはずなのに、面倒だから全員に出しちゃえ、となったらしい。私にとっては寝耳に水の徴収だが、他に何も払わなくていいのなら、公立学校の費用は月に30ドル程度ということになる。ありがたい!
部活にいたっては、勧誘も案内もない。娘に「先生に入れるかどうか聞きに行ったら?」と何度も催促しやっと部活に入ったと思ったら、初日から張り切りすぎて足を捻挫してしまい、2週間ほど安静にするべきなのに、4日後に部活に行ったら、人手が足りないから試合に出て欲しい、足が痛かったらやめていいからと言われたらしい。おかげで、せっかく痛みが引いていたのに、断りきれなかった娘は試合に出て、その後足が痛くて学校を2日休むはめになってしまった。よくいえば、大らか、この国にはモンスターペアレントなんて恐ろしい怪物はいないのだろうか?
しかし、タイミングよく部活に入ったらしく、あれよあれよというまに入団テストを受けさせてもらって、地区の代表に選ばれたらしい。今度初の遠征に行くことになった。しかし、こんな素敵な経験だって、待っていたら機会は一生こない。すべては自分から動かなければ、何も始まらないのだ。
娘に言わせると、カナダの教師たちはフレンドリーでいい人が多いらしい。マレーシアではアジア的な、「先生だから偉い」みたいな変な権威主義があって、先生と生徒には距離がある。でも、カナダでは先生はみんな親切な人が多いらしい。
あと、予算が削られたとはいえ、さすが先進国のカナダ、公立の中学のトイレは手洗いもトイレの排水もセンサーで自動だ。豪華とはいえないものの、きれいで合理的な設備だった。
まとまらないが、今日は思いついたことをざっと書き出してみた。
また娘から細切れな情報が入ってきたら、それをこちらにまとめようと思う。